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やー。虹鱒さんとかぶってた。読んでからだとなんか書きにくいと思って読んでませんでした。すいません。しかも番号の付け方を間違えてるー。もいっこ。
(2) 心臓をBANGと撃つふりビキニガール
これは普通のお茶目な女の子の句。 しかし彼女は「BANGと撃つふり」をすることによって、ビキニガールでなくてはならなくなった。
このポーズの持つ「あなたを落します」というサインを広告的にまとった彼女は、そのサインを真剣に送るメッセンジャーとしてではなく、逆にどこにでもいる女の子の普遍性を獲得する。没個性的仕草。彼氏からすると「ハイハイ」。男友達だとするとせいぜい「惚れてまうやろー」という返しが適切か。
これは(3) 生ビール喉のかたちに流し込む
の「かたち」似た、俳句のメタモルフォーゼ(無表情の役者化)みたいなものなのかな。
さらに言うと「ポーズを取ることでビキニガールでなくてはならなくなった」理由は、夏っぽい言葉選びということだけではなく、この女の子たちが実際に海水浴にビキニで行かなくてはならないと思う強迫観念にも似た海水浴戦争と同じような動機なのだから、もうこの事件は現場で起こっていることなのだ。実は単に可愛く見えても女の子はタイヘンなのだ。
言葉は化ける。そんなつながりで言うと、
(5) 鳥葬のごと音楽を浴び母よ
この句もそんな気がしてくる。ここにある魔法は「音楽を浴び」と、破調。多分ホントは「母」はぐったりと寝ているはずだ。なにせ「鳥葬」。スプラッター映画みたいになっているはずだ。
あまり深く読むのは難しいんだけど、「鳥葬」という「天と地」と「生と死」を感じさせる言葉が「音楽」と破調のリズムの魔法を借りて「母」ののっぴきならない二面性を描き出してる。ホントは一番この句がテクニカルマヤコンだったんだけど、難しかったから書かなかった。この句好き。
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No.100 2012/10/04(Thu) 00:11:25
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こちらの掲示板が空いているので、久しぶりに、「ぐるぐる俳句塾」をちょっと塾っぽく 開講いたしま〜す。
とりあえず、下の句を見てみましょう。
(1) 東京やベッドの下に蜘蛛ひからび
(2) 心臓をBANGと撃つふりビキニガール
(3) 生ビール喉のかたちに流し込む
(4) ふられ女唯一の救いは夕立かな
(5) 鳥葬のごと音楽を浴び母よ
(6) ひらきたる花火へ開きゆく花火
(7) テキサスは石油を掘つて長閑なり