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月に似ている。
走っても走っても、縮まらないその距離や
朝も昼も夜も そこにあるのに決して届かないところや
わざとらしく輝かない。
そんなところが。
自分は夜に生きる人間だからきっと、太陽のようなものには惹かれないのだろう。
君を
今日もこの夜空の下から想い、見上げている。
届かないこの手がもどかしくて震えた。
もっとこの手を高くあげることができるようになったなら触れられるだろうか。
「あんたってなんか夜みたい。」
「光栄だな」
「?」
「一番月が綺麗な時間に生きることができる。」
「は…?」
歩く下駄の音がカツンカツンと規則的な音を立てる。
月と星と、少しの街頭のぼんやりした光に照らされる小道を歩きながら二人は会話を続けていた。
前を歩いていた鹿の子が怪訝そうな顔で六を見る。
「小さいころから月を見てた。」
「小さいころ?」
「お前くらいの時も。」
「アタシもう16になるけど。」
「そのときも。今も、ずっと。」
「へー」
鹿の子はそう軽く聞き流していたが、わかっていた。
月が誰を指すのかを。
「そうね 私も見てる。でもそばにいるだけ。」
月に触れられるのは、
「空だけよ。」
鹿の子が空を高く指差した。
そのままくるくる、と回転しながら前に進んでいく。
「でも月は朝も昼も夜も、ずっと空といるよね」
明るいときも、暗いときも
「月はどんな空とも離れないけど、雲に阻まれようと、そこにいるけど。」
あの人はどうかしら。
そうつぶやくように言えば、しばらく返事はなかった。
わかっている。彼の気持ちも。
少しの間の間 やっと帰ってきた返事は「そうだな」だけ。
バカなやつだと いつも思う。
「バッカみたい。いい大人が捨てられた子犬みたいな顔しちゃって。」
「…子犬…?」
「そんな可愛くないわねあんたは…。豚もかわいいし…。…よくわかんない生命体でいいわ。」
「…なんだそれ…。」
私は夜空と言ったけど。彼女は少し考えていっていた。
『六ってちょっと空みたいだと思わない?』
『え、なんで?』
『同じかと思う日もあるのにきっと違うところとか 夜があるところとか。』
『…?』
要するに なんだかんだでこの二人はかみ合っているのだ。
あきれてしまうほどに。
あのひとはとっても私にも優しいけれど
アホ面のこいつに触れる優しさはなんだか違う
ああ、私の知らない 恋というものなのだ。
なんだか面白くない。
だから答えも教えない。
「はー、おなかへった。私が先に紫さんの作ってくれたゴハン食べるー!」
下駄の音がひとつ早くなる。
「な、何だよお前!結局来るのかよ!」
「だって紫さんが『おいでね』って言ってたから。」
「〜〜〜くっそー…。」
後を追う足音が早まる。
月に追いつけやしないのに。
それでも彼女はあの場所で待っているから。
月ではない、つきのような、あのひと。
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鹿の子は何十年かたってから六に対するアレが「恋だったかも」とか思うんだと。
紫さんは本人いないところで六の話しそう。
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いつもどおりの日々に
少し違う出来事。
誰?とはさすがに言わないけれど
「え、あ…あの…!」
「あはは。予想よりすごい反応だ。」
「あはは…?」
*彼がサンバイザーをはずしたら*
「カジカさん、ですよね?」
「だよ?」
「なんでうちの制服着てるんですか…!」
彼はいつも長袖の服を着ていたし、上着をぬげば半そでの服を着ていたりするのはしっているけれど。
時は初夏。夏服に衣替えされ、白い半そでのシャツ。
「いやー、涼しいねー。やっぱり夏に長袖はきついよね。」
「そうですね…。って、違いますっ!」
「今日さゆりちゃん元気だね。ノリツッコミだ。」
「ノリではないです…。」
「さゆりちゃんも半そでだね。」
「そうですね。」
「珍しい。腕ほっそいんだねー。」
一瞬のことすぎてされるがままだったが
この人は今。私の腕に触れたのだ。
私とおなじくらい白い指先で
あ、
暑い…。
「…でもなんかこの服装やっぱりヘンなかんじだ。」
「私、一瞬誰かとおもいました。」
「やっぱりね。僕も鏡見て思った。」
「自分でもですか?」
「うん」
ふふ、とさゆりが小さく笑う。
「特にあたまにつけてるのがないと なんか変な感じなんだよ。バランスおかしい気がして。」
「あぁ…いつもつけてらっしゃいますもんね。」
「うん。ついクセで触りそうになるんだけど、つけてないから触れないんだよ。」
「あ…ナカジ君とか二季くんとかがメガネとか、普段つけてるものとったとき、つい触っちゃうって言ってました。ほんとなんですね。」
思い出したように、学校での出来事を話す彼女に特に特別な意味もないことはわかっているけれど。
やわらかく笑うこの子のことを 自分だけが見ているわけではない。
現に少し話しただけで二人の名前があがった。
そう思えば、勝手に
「―気づいたことがあるんだけど、」
「はい?」
自分の想いをかたちにせずにはいられない。
きょとん、としたままの彼女にキスを送る。
「アレがないとさ、キスしやすいみたい。」
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何してんだ。カジカが変態すぎた(おい)
最初に腕にさわったのは天然です。でもキスしやすい は確信です。
カジカさんはサンバイザー外すとOLV!!!笑
メガネキャラにありがちな 眼鏡外すとキスしやすいぜ をやってみたかったんです…。笑
ありがちネタで大変申し訳ないっていうか ベタすぎて恥ずかしいですね!!ピャー!
カジカはしずかーーーーーに、でも激しくやきもちやきそうですよね。
多分ニッキーはブラックリストに入ってると思います。笑
「さゆりちゃんの半径1メートル以内に近づかないでくれないかな?え、ムリ?じゃあ半径3メートルだね^^」
ブラック★カジカさん。
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