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DVDで拝見させていただきました。 深く考えさせられる舞台で、見終わった後もしばらく物思いに耽ってしまい、中々その世界から抜け出せませんでした。 あっ、いえ、もちろん楽しく見させていただきましたけれど(楠田さん演じる大橋‘天使’太郎さんが、ニワトリの羽根がたくさんついたまま真剣にニワトリのハナについて語るところが可愛いなぁ、とか。サエキトモさん演じる花江さんが可愛くて、その赤地に白の水玉のワンピース姿で、横井伸明さん演じるカッコいい豊臣治さん(史実では太宰治さん)とダンスシーンがあったら、うっとりしそうだなぁ、とか。難波さん演じる塚口圭吾さん(史実では坂口安吾さん)は、無頼派と呼ばれるその奇行っぷりがなぜか憎めなくていとおしいなぁ、とか。塚口圭吾さんの妻、やす代さん(史実では梶美千代さん)は優しくておっとりしていて、そのふわふわした感じに癒される塚口さんの気持ちがわかるなぁ、とか。挙げ出したらキリがありませんが…)同時に、彼らの時々表に見え隠れする思考にシンクロしてしまう自分がいて、その重なった瞬間のなんともいえないゾクッとする感覚がたまりません…って、これじゃあ私怪しい人ですね(笑) 一番ゾクゾクッときたのが、花江さんが忘れたヒールを太郎さんがニワトリ小屋から持ってきて、それを花江さんが塚口さんに「これは死んだ姉の靴なの」と言って靴を置き、下から「ふくらはぎ、ふともも、おしり、腰…」とお姉さんのシルエットを描いていくところです。あれをやられたら、塚口さんはキツイですよね…。 太郎さんは無邪気な少年のような方でしたけれど、五助の文章を読んでいるときの声から、「生きる」という言葉の持つ力が溢れ出ていました!!楠田さん、最高です!! 赤ちゃんの持つ絶対的な、あの「生きる」強さはきっと誰もが生まれたときからもっているんだな、と考えると「命」を目の当たりにした塚口さんがどんな文章を書いたのか興味の残るところです。 意味なんていらないけれど…そこにはただ「生きる」という強い意志があった、「命」という強い輝きが、存在した… [No.219] 2005/03/09(Wed) 21:26:57 |