2012年の何でもツリー - 九条神樹 - 2012/01/01(Sun) 01:18:04 [No.1811] |
└ 聞こえるか 聞こえるだろう - 九条神樹 - 2012/08/22(Wed) 20:40:47 [No.2205] |
└ なんか少しずつ - 九条神樹 - 2012/08/25(Sat) 16:18:12 [No.2210] |
└ デッカ・バウ&ギル・バウセットは一箱で - 暗之云 - 2012/08/22(Wed) 21:49:18 [No.2207] |
└ それよりも・・・。 - そうりゅう あすか - 2012/08/22(Wed) 21:00:46 [No.2206] |
└ 「旧校舎の少女」byアークシステムワークス - そうりゅう あすか - 2012/08/10(Fri) 00:16:01 [No.2191] |
└ おおかみこどもの雨と雪(バレ) - 九条神樹 - 2012/07/31(Tue) 22:44:54 [No.2179] |
└ Re: おおかみこどもの雨と雪(バレ) - 維摩(yuima) - 2012/10/15(Mon) 18:54:47 [No.2261] |
└ セーラームーン新作アニメ制作 - 九条神樹 - 2012/07/06(Fri) 22:58:12 [No.2136] |
└ いっそのこと・・・。 - そうりゅう あすか - 2012/07/07(Sat) 10:34:27 [No.2139] |
└ 作品のことは何も公開されてないのに - 暗之云 - 2012/07/07(Sat) 09:36:28 [No.2137] |
└ 「シェルノサージュ〜失われた星へ捧ぐ詩〜」byガス... - そうりゅう あすか - 2012/05/05(Sat) 11:57:05 [No.2035] |
└ 第2幕DLしました。 - そうりゅう あすか - 2012/07/07(Sat) 10:55:47 [No.2141] |
└ ようやく、パッチVer1.03で少しサクサクになりま... - そうりゅう あすか - 2012/05/10(Thu) 23:55:46 [No.2044] |
└ なんか、難しいデス - そうりゅう あすか - 2012/05/07(Mon) 00:33:27 [No.2041] |
└ 青野武さん死去 - そうりゅう あすか - 2012/04/11(Wed) 23:13:11 [No.1997] |
└ 『プリキュア!シンドローム』 加藤レイズナ 幻冬舎 - 九条神樹 - 2012/03/27(Tue) 22:02:56 [No.1975] |
└ プリキュアオールスターズNew Stage みらいのともだち - 九条神樹 - 2012/03/20(Tue) 22:34:14 [No.1962] |
└ クリィミーマミPC発売 - 九条神樹 - 2012/02/27(Mon) 20:10:07 [No.1929] |
└ 「ぎゃる☆がんPS3版」byアルケミスト - そうりゅう あすか - 2012/02/25(Sat) 20:27:58 [No.1922] |
└ 「氷室の天地(Fate/school life)」... - そうりゅう あすか - 2012/01/27(Fri) 00:42:38 [No.1855] |
└ 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン - 九条神樹 - 2012/01/23(Mon) 22:19:11 [No.1853] |
└ 「死亡フラグが立ちました」by宝島文庫 - そうりゅう あすか - 2012/01/02(Mon) 23:26:54 [No.1818] |
└ 新年のご挨拶&干支ネタ - 九条神樹 - 2012/01/01(Sun) 01:24:12 [No.1812] |
└ ツンデレはインテリジェンスの証なり - 暗之云 - 2012/01/05(Thu) 00:56:53 [No.1820] |
└ 明けまして、おめでとうございます。 - そうりゅう あすか - 2012/01/02(Mon) 22:59:34 [No.1816] |
└ 新年のご挨拶 - 篠原勇希 - 2012/01/01(Sun) 02:54:44 [No.1813] |
少し遅ればせながら見てきました。 パンフレットには、狼男になると言う一点のみがファンタジーで それ以外はリアリティで固められている、と評されていましたが、 個人的には全部ファンタジー、というか、おとぎ話かなと 思いました(笑)。別に悪い意味ではなくね。おとぎ話でいいと 思います。 確かに、物語の主軸になっているのは、ヒロイン・花が、おおかみ こどもの雨と雪をシングルマザーとして育てていき、やがて こどもたちが自立していくというだけの話であって、そこには 前作サマーウォーズのような世界の危機などは何もないわけ ですね。 だからと言ってこのお話がリアルかというと別にそうではなく、 子どもたちが生まれ小学校に上がるまで「わずかな蓄え」で 赤ん坊を育て、食いつなぎ、古民家を買って引っ越し、家を 整えるといったことができると言うこと。また引っ越して行った 先の村の皆さんが皆いい人でその協力の元に生きていけると言う こと。そして何より、花の余りにも強靭なメンタリティ、何が あっても折れず挫けず負けず恐れずひるまず退かない(笑)、 そのキャラクターのありようが、やはりこれはファンタジー なのだと思わされます。 もちろん花も、往々にして切羽詰まり、泣き、動揺し、悩みは するのですが、最後に折れると言うところまでは行かずに、常に 立ち直るんですよね。もちろん、彼女なりに必死で頑張っている からこそであり、また夫や子供の存在があるからこそ、という 前提のもとではありますが。 主人公が戦闘能力的に無敵で無双する、というお話はありますが、 主人公のメンタルが無敵で精神的に無双するこのお話も、ある意味 そういったライトノベル的な(というと語弊がありますが) 万能感に支配されたストーリーであるように思います。 繰り返しますがそれが悪いというわけではなく(笑)。この物語は 世界の危機は関係なく日常的に淡々と進行するのですが、しかし、 同時に、周囲に「おおかみこども」の事実が知られれば即アウトと いう意味での「セカイの危機」を常に内包したまま、一種の強い 緊張感を持って話が進行していきます。また序盤で父親の おおかみおとこが死ぬというイベントを織り込むことで、悲劇的な 展開が発生しうるのだという意識を観客に植えつけてもいるわけ ですね。そういった物語の中では、鉄の精神どころか超合金Zの 硬度の精神(笑)を持つ花でなければ物語を展開して行けない、と いうところでもあるのかなと思いました。 さて本作は花のほかにも、タイトル通り、雨と雪がもう二人の 主人公となっています。 最初に獣性に目覚め、自然豊かな田舎の環境を喜んだ雪が、次第に 人間社会に溶け込んで人としての道を歩み始め、その逆に、最初は 内気で田舎にも馴染めず、猫にも負けるほどおおかみとして脆弱 だった雨が、やがて強い獣性に覚醒し、山の主の導きでおおかみと しての生き方を選んで行く、という入れ替わりは、ある意味王道 ではありますが、起伏のあるドラマを作っていました。 雪が人間社会に馴染んでいくのは主に小学校で女の子の友達と 触れ合う中でのことで、一方雨の方はなかなか友達ができず、 小学校にも行ったり行かなかったりである、という描写は 個人の性格ではありますが、それ以外にも、女性である雪の 本質的な社会性(集団性)と、男性である雨の反社会性、という 見方もできるのかもと思ったりも。 ただ、これは彼女たちの両親の立場とは逆なんですよね。つまり 父親のおおかみおとこは社会に憧れ都会に出てきたおおかみ ですし、母親の花は人に目立たないところに行こうと田舎に赴き 人目を避けた生活をしているわけで、社会・集団に対する男女の 性差による反応が、親世代と子世代で正反対に描かれていると いうのも面白いところかなという印象でした。 まあその辺はさらに考えると、雪は社会にいながらも、終生 おおかみとしての素姓を隠し続けて生きていくという、いわば 社会の中の反社会性を有しているのに対し、雨は自らの本性を 秘匿することなくそのままの姿で生きる、というのも一回ひねって あるのかなとか思い始めましたが、まあそこまで変に考えなくても いいのかも(笑)。 ただ別の見方をすると、雨と雪だけではなく、花と雪という対置も あるのでしょうね。花と雪は、ボーイミーツガールの二世代に 渡っての物語の主軸でもあるのですが、その異性との触れあい方、 アプローチを強く掛け、相手の心を開いていくのが男女の どちらか、という点もやはり反対なんですよね。もちろん、 おおかみであるのが男性側が女性側かというところから逆な わけですから、当然その働きかけも逆になるわけですが。 最後に都会に行くおおかみの雪と、田舎に残ったままの人間の花、 という結末も含め、花と雪はかなり意識して逆のポジションに 置かれて行っているようにも思えました。花がおそらく意図して それほど美女ではなく、その一方雪は明らかに美少女である、と いうのも対比かも(笑)。 そういった花と雪の対置が見えるぶん、雨は少し全体から浮いて いるともいえるのかもしれません。 演出的な部分では、やはり花・雪・雨が揃って雪山を駆け回り 自然と一体になる場面の疾走感が素晴らしいもので印象に 残ります。 印象に残る場面は他にも、小学校に上がった雪と雨がそれぞれ 学校生活に対して正反対の反応を示しつつ時間が過ぎていく様を 横スクロールで連続的に見せて行ったシーンがありますが、 ちょっとこれは技巧に走り過ぎ、わざとらしい感がなくはなかった かも。作品的にはあまりこういった小手先のテクニカルな見せ方は そぐわない雰囲気があるかなという気もします。もっとも、 横スクロールで連続的に時系列を見せていく、というのは、 いってみれば絵巻物としての描写法でもあります。そういった 絵巻物、という見せ方が、つまり「おとぎ話」という本作の 本質をあらわしているともいえるのではないか、ということで 冒頭の話題に戻りましたね(笑)。 まあんまり細かいことグダグダ考えなくても(笑)、素直に 面白い作品ではあったと思います。半獣化した幼児時代の雨と雪 可愛いですしね(笑)。もっとも、幼児って別に獣化しなくても 十分ケダモノ的な、何をやるか分からない恐さがあるものですし そういう意味では「おおかみこども」ということば、そして 描写自体に、二重表現的な面白みを感じたりも(笑)。 [No.2179] 2012/07/31(Tue) 22:44:54 |