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No.2896に関するツリー

   ガンダム Gのレコンギスタ 感想ツリー 2クール目 - 九条神樹 - 2014/12/25(Thu) 21:50:10 [No.2896]
★☆第26話『大地に立つ』★☆ - 九条神樹 - 2015/03/26(Thu) 22:37:38 [No.3042]
大地に - 九条神樹 - 2015/03/29(Sun) 17:55:11 [No.3048]
「型どおりでない」「定石を無視している」というのは - 暗之云 - 2015/03/29(Sun) 20:32:22 [No.3049]
物語を牽引する - 九条神樹 - 2015/04/03(Fri) 20:10:39 [No.3052]
★☆第25話『死線を越えて』★☆ - 九条神樹 - 2015/03/19(Thu) 22:09:26 [No.3031]
重力に魂を引かれた人々 - 九条神樹 - 2015/03/22(Sun) 20:00:17 [No.3036]
★☆第24話『宇宙のカレイドスコープ』★☆ - 九条神樹 - 2015/03/12(Thu) 21:00:14 [No.3024]
綺麗なタイトルで - 九条神樹 - 2015/03/15(Sun) 20:21:24 [No.3028]
★☆第23話『ニュータイプの音』★☆ - 九条神樹 - 2015/03/05(Thu) 19:53:43 [No.3017]
ほんとに - 九条神樹 - 2015/03/08(Sun) 17:19:54 [No.3021]
★☆第22話『地球圏再会』★☆ - 九条神樹 - 2015/02/26(Thu) 19:25:36 [No.3006]
コントロール - 九条神樹 - 2015/03/01(Sun) 17:39:54 [No.3012]
いろんな意味でコントロールできてない! - 暗之云 - 2015/03/04(Wed) 00:44:43 [No.3013]
どこまで - 九条神樹 - 2015/03/05(Thu) 19:51:45 [No.3016]
★☆第21話『海の重さ』★☆ - 九条神樹 - 2015/02/19(Thu) 19:41:19 [No.2994]
早い!早いよ! - 九条神樹 - 2015/02/22(Sun) 19:37:29 [No.3001]
遥かヴィーナス・グロゥブくんだりまで出かけた理由 - 暗之云 - 2015/02/24(Tue) 22:00:19 [No.3002]
ラ・グーとの - 九条神樹 - 2015/02/26(Thu) 19:24:01 [No.3005]
★☆第20話『フレームのある宇宙』★☆ - 九条神樹 - 2015/02/12(Thu) 19:34:07 [No.2982]
押すなよ絶対に推すなよ - 九条神樹 - 2015/02/15(Sun) 17:33:34 [No.2987]
ジット団も詰まるところはレコンギスタが目的だった。 - 暗之云 - 2015/02/17(Tue) 00:21:34 [No.2990]
幕引き - 九条神樹 - 2015/02/19(Thu) 19:38:20 [No.2993]
★☆第19話『ビーナス・グロゥブの一団』★☆ - 九条神樹 - 2015/02/05(Thu) 19:54:41 [No.2969]
珍しく - 九条神樹 - 2015/02/08(Sun) 17:28:33 [No.2977]
宇宙遠近法 - 暗之云 - 2015/02/08(Sun) 20:49:34 [No.2978]
MSという代物 - 九条神樹 - 2015/02/12(Thu) 19:31:25 [No.2981]
★☆第18話『三日月に乗れ』★☆ - 九条神樹 - 2015/01/30(Fri) 19:03:11 [No.2958]
全体的な説明不足感と唐突な展開には慣れたし、 - 暗之云 - 2015/02/03(Tue) 00:55:08 [No.2965]
シンプルに - 九条神樹 - 2015/02/05(Thu) 19:51:55 [No.2968]
乗りました(物理) - 九条神樹 - 2015/02/01(Sun) 17:59:25 [No.2963]
★☆第17話『アイーダの決断』★☆ - 九条神樹 - 2015/01/22(Thu) 20:57:10 [No.2943]
このアニメがやっかいなのは、 - 暗之云 - 2015/01/27(Tue) 00:48:37 [No.2951]
今回は特に - 九条神樹 - 2015/01/30(Fri) 19:01:06 [No.2957]
おバカなバカ姫 - 九条神樹 - 2015/01/25(Sun) 17:22:41 [No.2950]
★☆第16話『ベルリの戦争』★☆ - 九条神樹 - 2015/01/15(Thu) 20:20:01 [No.2929]
今はうかつに動いてはダメです! - 九条神樹 - 2015/01/18(Sun) 17:25:29 [No.2938]
「若造のいうことかあああっ」 - 暗之云 - 2015/01/18(Sun) 18:51:33 [No.2939]
富野的本音 - 九条神樹 - 2015/01/22(Thu) 20:09:25 [No.2942]
★☆第15話『飛べ! トワサンガへ』★☆ - 九条神樹 - 2015/01/08(Thu) 20:41:42 [No.2915]
元気のGは - 九条神樹 - 2015/01/11(Sun) 21:14:48 [No.2923]
「強いられているんだ!」 - 暗之云 - 2015/01/12(Mon) 00:49:39 [No.2924]
そういえばそんなのも(笑)。 - 九条神樹 - 2015/01/15(Thu) 20:16:58 [No.2928]
★☆第14話『宇宙、モビルスーツ戦』★☆ - 九条神樹 - 2014/12/25(Thu) 21:52:24 [No.2897]
あの女……! - 九条神樹 - 2014/12/28(Sun) 17:43:05 [No.2902]
「可愛くて元気なノレド・ナグさんだ!」 - 暗之云 - 2014/12/28(Sun) 11:57:23 [No.2900]
ノレドの存在 - 九条神樹 - 2015/01/08(Thu) 20:36:37 [No.2914]



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ガンダム Gのレコンギスタ 感想ツリー 2クール目 (親記事) - 九条神樹

物語は後半へ。

[No.2896] 2014/12/25(Thu) 21:50:10
★☆第14話『宇宙、モビルスーツ戦』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

第2クールの開始です。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.2897] 2014/12/25(Thu) 21:52:24
「可愛くて元気なノレド・ナグさんだ!」 (No.2897への返信 / 2階層) - 暗之云

他に言うべき特徴が無いノレド・ナグさん、ともいえる(苦笑)。アイーダ、ラライヤそしてマニィまでもがヒロイン然としてくる中で、どうも話の流れに取り残された感があります。

ただ、今回でラライヤのお世話係という仕事から解放されたから、今後は彼女自身の問題にもスポットが当たるのかも。マスクが「クンタラの名誉」を再び口にした回で、そのクンタラの道具であるパチンコが宇宙仕様(笑)になったのがポイントかも。

それにしても、予告で一応は予想していたけど、いきなりラライヤが正気に戻ってちょっとびっくり。トワサンガ出身だけど今来ているドレッド艦隊とは別働隊ってことで確定か。

Gセルフも「ウチにあった試作機」。裏を返せば、トワサンガ側の(少なくともリンゴ少尉の)認識はその程度で、ものすごくスペシャルな機体というわけでもない? さらに言えばリンゴ少尉はラライヤを見ても無反応。トワサンガも一枚岩ではないということなんだろうけど、なかなかスッキリしてこないな。

レコンギスタの意味もおそらく前回言われたとおりのディアナカウンター的なもので間違いなく。キャピタル・アーミーとアメリアがそろって地球の居住権をエサにしているのが可笑しいが、たぶんそれでは釣れないんだろうなぁ。

第7話の感想で書いた、エンディングでウィルミットの隣にいる「褐色肌の長身の女性」はトワサンガのマッシュナー中佐でした。あの並び順もつぶさに検討すると何かしら意味が見出せるかもしれません。ていうかエンディングは変えないのね。


[No.2900] 2014/12/28(Sun) 11:57:23
あの女……! (No.2897への返信 / 2階層) - 九条神樹

マニィが怖かったです。というかMSの操縦覚えなきゃとか
言い始めて行き先が一気に不安に(笑)。マスクも、ちゃんと
マニィを気遣っているのは確かなのですけれど、彼女の目の前で
バララと親しくするのは配慮に欠けるところですね(笑)。

基本的に今回は女子チームのパワーが各陣営とも発揮された回。
マニィもですし、正常に戻ったラライヤや、相変わらず
あざと可愛い生き物のアイーダの存在感はもちろん、
ミックジャックやマッシュナーなどもそれぞれパートナーの
男性キャラのケツを叩きあるいはおだてて上手く動かしている、
と言った感じです。それにちゃんと乗せられてしまう
ベルリを始めとした男性キャラたちの単純さも、ある意味
可愛らしいのかもしれません(笑)。

ラライヤの復活シーケンスの、意図的とも思われるある種の
不自然さは、これまでにも何箇所かで見られた、視聴者の
感覚に理解しにくい引っかかりを作って引きずり込む手法
でしょうか。そこだけではなく大きく動き出した物語自体も含め、
視聴者に一気に大量の情報を与えて、あとは知らん顔をしている
という一話あたりを思いだす感覚(笑)。2クール目の開始話
ですし、いわば仕切り直しの第一話というような感じだったと
言えるかもしれませんね。

で、道中すっ飛ばして次回あっさりトワサンガに到着する
模様(笑)。前回あたりから話のペースが一気に上がっている
感覚があります。それはそれでいいのですが、物語自体の目指す
もの、登場人物たちの行きつく先、というような終着点が
まだまったく見えておらず、ゴールがわからないまま全力疾走して
いるような感じで(笑)、不安定感のようなものはあるかも
しれません。まあまだ全体を折り返したばかりではありますが。

今回からはOPも変更で、OPフィルムは相変わらずの本編からの
切り貼り。スケジュール的な問題もあるでしょうが、作品の顔とも
言うべきOPにまったく力を入れないのはちょっと不思議な感覚を
持ちます。何らかの意図を有しているのでしょうけれど、
あまり訴求力というか魅力のある映像にはなっていないようには
思うんですよね。いやまあアンダースーツのセクシーなアイーダを
毎週見られるのは魅力的なのかもしれませんが(笑)。


[No.2902] 2014/12/28(Sun) 17:43:05
ノレドの存在 (No.2900への返信 / 3階層) - 九条神樹

物語開始当初から基本的にスト―リー進行にはほとんど関わりが
なく、人間関係構成的にもあまり重要な位置付けにも見えない子
ですよね。教皇との関係がほのめかされているという部分は
あるとしても、基本的にノレドの扱いは、何故この子は物語に存在
しているのだろう、という不思議な感じを覚えます(笑)。
キャラ的に不快なわけではなく、むしろとてもいい子ではあるの
ですが、役割存在としては不安定感を覚えますよね。
ベルリがいずれ帰って行くべき日常の象徴、とか言うありがちな
いい方をすれば、いかにもそれっぽいのかも知れませんが(笑)、
別にベルリがそれほど非日常の世界に行ってしまっているとも
感じられないので、そういう扱いもどうかなあというところ。

逆に言うと、何の意味もなくそう言ったキャラを配置するわけも
ないので、終盤にかけてのキーパーソンになるのかもしれない、と
いう漠然とした予測はできるのかもしれませんけどね。まあ
最後までこのままフワフワした感じで通してくれても、それは
それで面白いのかもですが(笑)。


[No.2914] 2015/01/08(Thu) 20:36:37
★☆第15話『飛べ! トワサンガへ』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

新年最初のGレコです。自分の感想は日曜日の夕方以降です。

[No.2915] 2015/01/08(Thu) 20:41:42
元気のGは (No.2915への返信 / 2階層) - 九条神樹

ゴキ…
いややめておきましょう(笑)。
天上のような印象を受けていたトワサンガのたたずまいが意外に
古びた部分もあり、牧歌的な個所もあり、というのは面白い
ところでしたね。

しかし今回最大のインパクトが次回予告だったというのは
どうしましょうか(笑)。ベルリとアイーダが姉弟というのは
従前からのインタビューなどで既に公言されていたことでは
あるのですが、一応物語上重大な転機になるであろうその要素を
本編前の予告でブッ込んでくると言うスタイルがなんとも
やりたい放題だな!いいぞもっとやれ!という感じですね(笑)。

今回はストーリー的な展開としては、基本的にトワサンガに到着し
レジスタンスと出会う、というだけのお話。それだけの部分に
さまざまな枝葉をくっつけて派手で濃厚な30分に仕立て上げて
くるのが本作らしいですね。意地悪な言い方をすれば、「物語」
ではなく「シーンの連続」を見せられているだけだったとも
言えるのですが、そのシーンが一々濃いので見応えがあると言えて
しまうのが悔しいかも(笑)。

冒頭、トワサンガの勢力分布について正気に戻ったラライヤが
滔々と解説してくれているシーンは、こういった使い方をする
ために1クール目はあの状態だったのかな、と改めて思います。
事情を知っているキャラがいてくれないと複雑な情勢の説明に
困るし、かといって事情を知っているくせにいつまでも黙って
いるというのはどこかの神様のように不自然なわけで(笑)、
それならああいう状態にしてしまおう、というのは上手く
キャラを配置したかなという感じですね。また同時にそれは、
以前の状態だったラライヤをみんなで優しく世話していたという
事実の裏付けとなり、それゆえにラライヤがベルリたちに対し
味方としてふるまう説得力も生まれる、ということにもなるの
でしょう。

ラライヤがチュチュミを忘れたという場面はちょっと心が痛み
ましたが、明確にキャラの変化を小道具で見せることが出来て
いる、良い場面でもありました。

戦闘シーンはMSの砲撃戦という、ちょっと考えると非常に絵的に
つまらなくなりそうなシチュエーション(笑)を上手く処理し、
引きこまれる場面になっていました。以前も12話で砲撃戦主体の
戦闘を展開していましたが、12話では主に三つの陣営の位置取りの
工夫で遠距離戦の面白さを見せたのに対し、今回はネットの使用や
ビームの飛沫の見せ方など描写面での工夫で画面にアクセントを
付けていたという感じですね。色々と引き出しが多いというのは
さすがというところなのでしょう。

Gセルフがコンペに落ちた不採用機、という設定は主役機として
意外な位置づけで面白いですね。もっとも、その不採用機で
あるはずのGセルフが今回異常な強さを見せていた、という
ところでさらにもう一度捻ってきています。ニュータイプの存在も
示唆されましたが、Gセルフ自体も、コンペに落ちたということが
本当に性能差で落ちたのか、それとも誰かに、何らかの意図が
あって「わざと落とされた」のか、など色々と想像できますね。


[No.2923] 2015/01/11(Sun) 21:14:48
「強いられているんだ!」 (No.2923への返信 / 3階層) - 暗之云

って台詞はあんなに有名なのに、

> 天上のような印象を受けていたトワサンガのたたずまいが意外に
> 古びた部分もあり、牧歌的な個所もあり


今回のトワサンガの描写にファーデーンを連想したのはどうやら私だけの模様。

内戦状態なのもファーデーン的で、となればメガファウナもいずれかの勢力に与するという展開になるのでしょうが、それにしたってベルリの「ドレット艦隊と連合するんですか!?」はあまりにも唐突過ぎて意味不明でした(え? あれ? 今戦ってる相手って誰だっけ?)

まぁ、帰る場所はメガファウナだと言いながら一方でアメリア軍には入らないとも言うベルリとか、捕虜の立場なのに妙にユルいリンゴ少尉とか、所属はそれぞれそのまま「大同団結」というのがこの作品のテーマかもしれません。となるとホントにドレット艦隊と組むこともあるのかも? いやまあ、大同団結で何をするのかが不明瞭なんですけどね。

独断専行で前進し過ぎは天才クリムには毎度のことですが、今回はとうとうそれで大失敗、哀れ囚われの身に。しかし次回予告では普通に歩き回っていたから、きっとその程度のことなんでしょう。


> ラライヤがチュチュミを忘れたという場面

ノレドはラライヤのお世話役から解放されて、さてどうなるかと思ったら子離れできない母親的な立ち位置になってしまいました。「まだ全部、色塗り終わってないんだぞ?」も別に塗装にこだわってるわけでなくて、何とか出撃を止めたかったんだろうなぁ。

> Gセルフ自体も、コンペに落ちたということが
> 本当に性能差で落ちたのか


操縦できるパイロットがラライヤだけでは正式採用されるわけがない(笑)。「ラライヤが地球人に寝返ったのか!?」「殺人鬼になったのか!?」あたりの台詞からもラライヤ専用と認識されていたと推察されますが、次回で姉弟に加えてラライヤもGセルフを操縦できる謎も解けるのでしょうか?

アリンカト(アリカント)は「金の鉱脈に餌を求める妖怪」と劇中で言及。となるとカットシー(ケットシー)とかエルフとかも意味が分かってそう名付けられている? それともトワサンガに限ってそういう伝承が残っているのか。


[No.2924] 2015/01/12(Mon) 00:49:39
そういえばそんなのも(笑)。 (No.2924への返信 / 4階層) - 九条神樹

実戦を経験していないらしいという部分も含め、自己完結している
小さな箱庭めいた世界というところもそれっぽいでしょうか。
フリットはファーデーンのそういった閉ざされた世界感を打破
しようとしながら、結局自らもまたヴェイガン憎しという閉じた
世界に嵌り込んでしまった哀れな男でしたが、ベルリたちは
おっしゃるように良くも悪くも主義主張のはっきりしない子たち
ですから(笑)、固定観念にとらわれることなく自由に行動して
行くことは出来そうですし、またそれこそがGレコの世界において
今求められているスタンスなのかもしれません。

ただ実際、「何をするのか意味不明」というのは確かに本作に
おける大きな欠点の一つではあるかもしれません。以前も書き
ましたが、もう折り返し地点を過ぎていながら、ベルリたちの
目指すべき着地点が全く見えない、というのは物語に不安定感を
もたらすものでしょう。生きざまそのものが解なのだというには
今度は逆に、ベルリたちの生きようはふわふわしすぎて
いますしね(笑)。

ただ、そういった先行きの見えないストーリーでありながら
重い閉塞感を感じさせない、というところがGレコの魅力では
あるのかもしれませんね。無駄にエネルギッシュというか(笑)。


[No.2928] 2015/01/15(Thu) 20:16:58
★☆第16話『ベルリの戦争』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

これまでのように流されていくのではなく、サブタイ通りに
ベルリが主体的に争いに関わって行くとするなら大きなポイントに
なりますが、さて。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.2929] 2015/01/15(Thu) 20:20:01
今はうかつに動いてはダメです! (No.2929への返信 / 2階層) - 九条神樹

このセリフを「アイーダがベルリに対して」言う、という逆転の
構図が実に気持ちよく決まっていました(笑)。普通なら立場
逆ですからね(笑)。今まで長く積み重ねてきたキャラ描写を
綺麗にひっくり返す場面で面白いところでした。いやベルリの
心情的には面白くもなんともないのですが(笑)。このように
ベルリにも暴走してしまう部分があり、またアイーダにもそれを
いさめる視野がある、というのは、まさに二人の血の繋がりを
思わせる描写であるとも言えるでしょう。

ということでベルリとアイーダの姉弟という関係が明らかになった
エピソード。そしてベルリが今までになく荒れた一面を見せた
お話でもありました。基本的にはベルリの行動要因はまず第一に
アイーダでしたし、その衝撃は察するに余りあります。さらに
それだけではなく、コロニーの不自然な環境をじっくり見せた上で
ここが故郷だと示す意地の悪さ(笑)、また人殺しとアイーダに
はっきり言わせたりなど(しかも悪意ではなく)、さすがに
ここまでやればベルリも壊れるだろう的な要素を惜しみなく
つぎ込んで見せてくれた、何もそこまでという感じの回
でしたね(笑)。

アイーダと最後に合流した時の、殺さないように戦ったんだという
訴えかけは痛々しくさえありました。しかし、アイーダに
そういったベルリの追い詰められた状況がどこまで通じて
いるのだろうか、というのはちょっと疑問かも(笑)。アイーダに
とってはトワサンガの内紛に巻き込まれて運命を狂わされたと
いう憤りが自らの中で大きく、他者の心中まで推し測る余裕は
ないかもしれませんしね。
と同時に、アイーダもベルリとは異なった意味でまた非常に大きな
衝撃を受けているであろうにも関わらず、「今はうかつに動いては
ダメ」と言えるだけの思慮を有しているのは彼女の成長の跡と
いえるのでしょう。そしてそれは今回やけになってしまった
ベルリとの対比でもありますね。

ベルリは飛び級なので、周囲に比べ、頭は良くてもまだ幼い少年
でもあります。それにしてはこれまでずいぶんと賢しげに
ふるまってきた子ではありますが、ここに至ってその年齢相応の
無理が来てしまった、というところでもあるのでしょうか。
Aパートではアイーダのことを姉と呼び、特に問題とは感じて
いないのだろうかと思わせてからの、時間差で衝撃を受けていた
心中を明かす演出、というのも印象的でした。

カーヒルを手に掛けてしまいアイーダにそれをなじられ、また
デレンセンの命を奪ってしまうなど、ベルリは割とコンスタントに
曇るイベント(笑)が用意されていますが、今回のイベントは
彼にとって最大の壁であるかもしれませんね。これをどのように
自己の内で昇華していくのか、というところも注目点になる
でしょうか。


[No.2938] 2015/01/18(Sun) 17:25:29
「若造のいうことかあああっ」 (No.2938への返信 / 3階層) - 暗之云

と、長谷川裕一の挑発に乗せられて(?)ドゥガチの口を通して本音を漏らしたのがトミノ監督(無印「機動戦士クロスボーンガンダム」6巻カバー折り返し)……だというのはさておくとして。

ともあれ監督はもう年寄りの側の人だから、その脚本でヒロインが「時代は年寄りが作るものではないのです」と言い出しても、それを額面通りに受け止めていいんだろうかと当惑してしまいます。


ていうかアイーダ姉さん、「Gセルフを操れたおかげで」って言ってたけど、ベルリはともかくアンタが海賊やってたのはGセルフとは無関係だろとツッコミたくてたまらない(苦笑)。カーヒルだって海賊部隊に入った時点で常に死のリスクを背負っていて、ベルリ以外の誰かに殺されていたかもしれないわけで、、なんだろう、あの発言は監督の若者に対する悪意、若者にありがちな責任転嫁の非難なんだろうかと無駄に深読みしてしまいます。


> Aパートではアイーダのことを姉と呼び、特に問題とは感じて
> いないのだろうかと思わせてからの、時間差で衝撃を受けていた
> 心中を明かす


生身の人間の心情としてはよくわかるんだけど、物語としてはわかりづらいと言わざるを得ないのでした(苦笑)。そういうことってあるよね、とは思うし、オープニングにも折り込まれているテラスでの会話のあたりまでは割とのんきで穏やかなのは、つまりアイーダ(と周囲)への気遣いだったとも理解できるけれど……。「お話」の主人公の心情は、もうちょっと単純明快でいいのでは? 難しいものです。

ディテールの問題。前回の感想でちょっと触れた『ガンダムAGE』のファーデーンには「コロニーの地下都市ってなんやねん?」という落ち着かない設定があったのですが、こちらの窪地では「もともと地下だった」と言われればベルリは「ひょっとするとこの下がすぐ宇宙ですか?」と言い出すあたりに感心。こういう、割とどうでもいい細かなところ(笑)で、地球上とは異なる環境であることを印象付けるのがさすがです。

一方でさりげなく置かれた蚊遣り豚には、「人工の大地なのに蚊がいるの?」という疑問を感じるわけですが、そこはムード重視といったところでしょうか。


[No.2939] 2015/01/18(Sun) 18:51:33
富野的本音 (No.2939への返信 / 4階層) - 九条神樹

「戦争を面白がる世代が出て来てしまった」ってあたりも
富野さんの本音なのかなーって感じですね。ここで興味深いのは
富野さん自身が戦争アニメをいっぱい作って「面白がらせる」
片棒を担いできたことで(笑)、そういった自虐的自省的部分も
聞き取れるのかも、とか思います。
面白がりという観点で見直せば、確かに劇中のクリムやマスクの
言動はその基準で作られているわけで、一見ただのアホのように
しか見えなかったクリムたちのキャラも(笑)、実はこの提起に
持って行くための周到な準備であったのかな、と感じさせられ
ますね。

分かりやすさ。
人間を動かせる方なので、つい色々盛り込みたくなってしまうの
でしょうが(笑)、ストレートに物語が視聴者の中に入って
きづらい作りになっているのは否定できないところですね。
その分、視聴者が一週間かけて色々分析判断するのが楽しいの
かもしれませんが、時代に求められているものとは異なるのかも
しれません。それもわかった上でそっぽ向いてるのかも
ですが(笑)。


[No.2942] 2015/01/22(Thu) 20:09:25
★☆第17話『アイーダの決断』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

アイーダの決断……
またなんかややこしいことになる気が……(笑)。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.2943] 2015/01/22(Thu) 20:57:10
おバカなバカ姫 (No.2943への返信 / 2階層) - 九条神樹

大事なことなので二回言いました。
……いやアイーダにとってはまあ確かに重要なことなの
でしょうし(笑)、またこの繰り返し表現自体、彼女の揺れる
心中を表現しているとも言えるのでしょうか。

本編はアイーダとノレドがそれぞれ自分の立ち位置に付いて
苦悩するエピソードでした。……というとなんかシリアスっぽい
ですが、その実態は全陣営が共同してお掃除するという
ある意味とても本作を象徴するような回でもありました(笑)。
もちろん、金星からフォトンバッテリーの供給を止められたなら
何もできなくなるという見えない制約がじんわりと世界全体を
締めつけているという不穏さを現わしてもいるのですけれどね。

ただ、そういった事情があるにせよ、それでもみんなでお掃除
することに同意できる、というかむしろ頑張ってお掃除して
しまう(笑)という柔軟さ、そしてこだわりのなさが本作の
若者たちの特徴でもあるのでしょう。変に意地張って、こいつらは
敵だ!事情がどうあれ絶対倒す!的な部分はないのですよね。
それはまあおバカさんとも言えるのかもしれませんが(笑)、
むしろ好感のもてる柔軟性であるといった方がいい気もします。
まあ、戦死者も出てるっぽい戦いの中で、そこまで柔軟で
いいのか、というところまで考えるとまた問題はあるのかも
しれませんが(笑)。

トワサンガへ来た時と同じように、金星へ行こうと決断したのも
またアイーダ。そういう意味ではアイーダはちゃんと物語の進行を
してくれているので別に悩むことはないのかもしれません(笑)。
ただ、トワサンガに来た時は強いバイタリティに溢れ、わからない
ことを自分の目で確認しに行こうという積極的でポジティヴな
動機があったように見えたのに対し、今回はむしろ自分の
存在意義に悩むアイーダがとにかく何らかの形で目に見える動きを
しなければならない、という焦りに突き動かされた故の決定に
見えた気もしますし、そこにはなんとなく穏当ではない雰囲気を
感じ取れたりもするのですが。

クンパ・ルシータの素姓とその目的や動きについても語られ始め
ました。核による自爆装置という言及はラストに使われそう
ですね。同時に、レイハントン家ゆかりの人々も、単純な助力者と
いうわけでもないように見えても来ます。若者たちがあまり物を
考えずにとにかく動いている(笑)のに対し、老人たちは物を
考えすぎてろくに動けなくなっている、という対比はよく見えて
いると言えるでしょうか。


[No.2950] 2015/01/25(Sun) 17:22:41
このアニメがやっかいなのは、 (No.2943への返信 / 2階層) - 暗之云

意図的にわかりづらくやっているのか単に巧くいってないだけなのかがわからないことだ(苦笑)。

いやほら、何事につけ読んだり見たりするのに「対立項の抽出」ってのは基本で、それは送り手(作り手)側からすれば「対立の構図を作る」というのが基本なんだけど、『Gレコ』はホント離合集散が激し過ぎて、いったい誰と誰が何を巡って対立しているのかが容易に見失われてしまう。

特に今回は冒頭から、アメリアの海賊部隊の指揮下にあってラライヤ(トワサンガ正規軍で実はレジスタンス)がリンゴ少尉(元はドレット艦隊所属の捕虜)に対して「ケルベス中尉(キャピタル・ガード)に協力しろ」と言い含めたり、キャピタル・アーミーはドレット艦隊からMSの提供を得たり、かと思いきやマッシュナーはアメリアの戦艦サラマンドラの艦橋にいたりでもうシッチャカメッチャカ(書き出してみてようやく整理ができた)。この状況下では「クンパ・ルシータはトワサンガ人だった」なんて大した意味を感じない(笑)。

こういうのは普通に評価すれば、「展開を急ぎ過ぎ」とか「とにかく説明不足でわかりにくい」とか「韜晦するかのように無駄に複雑にしている」程度におさまるんですが、贔屓目無しで見て、わざとそういう作りにしてるフシが感じられるから評価しづらい。

なんといってもクライマックスが、それまでのシッチャカメッチャカを全てひっくるめるように、敵も味方もなく皆そろってがれき掃除だという。個人的に「逆襲のシャア」の、安直極まりない偽善的なラストが大嫌い(総帥の最終目的を土壇場で全否定するならネオジオン兵は一体何を戦っていたのか)なんですが、そのアップデート版がこれだというなら「逆シャア」も許せる気がします。


[No.2951] 2015/01/27(Tue) 00:48:37
今回は特に (No.2951への返信 / 3階層) - 九条神樹

各陣営の内幕がバラバラで、誰がどういった勢力に属し何を意図
しているがどうなってるいるのか、分かりづらいように
作られていた感が強いですね。陣営だけでも複数あるのに、
その中でさらにそれぞれ思惑が違う人々が絡んでいたりするので
実際これは簡単には把握させないつもりで作っているんだろうなと
思えます(笑)。そのように乱雑な人間模様を描いた上での
「お掃除」ですから、これもまた象徴的なイベントですよね。

デブリ掃除それのみに焦点を当てて一本エピソードを作る、と
いうこと自体、ロボットアニメではなかなか挑戦的な切り口。
それをさらにシンボリックな共同作業に昇華させて、複数の
入り組んだ思惑を強引にまとめてしまう、というエピソード
だったわけで、捻りすぎて面白いとも言えますし、そこまで
捻らんでも、とも思うところかも(笑)。

ただその象徴的なお掃除作業も、結局はヘルメス財団という
外的要因によるやむを得ない行動である、という点もまた強い
印象を残しますが。外部の脅威がなければ共同できない、と
同時に、それがあれば共同できる、ともいえます。それは見方を
変えただけで同じことではあるのですが、あえて後者の視点で
肯定的に評価する感じ方が本作にはふさわしいのかも
しれませんね。


[No.2957] 2015/01/30(Fri) 19:01:06
★☆第18話『三日月に乗れ』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

気がつけばもうそろそろ終盤に差し掛かりつつあるのでしょうか。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.2958] 2015/01/30(Fri) 19:03:11
乗りました(物理) (No.2958への返信 / 2階層) - 九条神樹

クレッセントシップに文字通り乗っかって金星への道行き。
クレッセントシップにベルリが入り込んだ場面は、これまでの
ような猥雑な空気とは一変して神秘的・幻想的な雰囲気に
切り替わり、作品自体が重要な転換点に差し掛かったことを
伺わせました。
……と思ったら次回でマラソンとかしてるし(笑)。基本的に
本作の、いい意味でおバカさんの集団の真面目におバカなことを
している的なノリは終盤までも持って行きそうですね(笑)。

舞台がトワサンガからビーナスグロゥブへと移行していく
エピソードで、それだけに各陣営が総出でしっちゃかめっちゃかな
お話でもありました(笑)。陣営ごとの思惑だけではなく、さらに
その中の個人の考えで適当に動いたりもするので全体の把握が
相変わらず困難、というよりはあえて把握させない方向で作っ
ている感さえします(笑)。もっとも、そんな各陣営が今回は
「Gセルフよこせ!」の方向性としては一致していたのがさらに
面白いところでもありますが。前回もそうですが、政治的な描写を
あれこれめんどくさく描いておきつつ、でもエピソードの焦点と
しては毎回ちゃんと分かりやすいポイントを絞ってくれても
いるのだな、と言う感じですね。
……この上さらに金星勢力が出てくるわけですが(笑)。

まあミニマムな視点で見てみれば、「あたしの大尉」と言い切る
ミックや、マスクに助けられて涙ぐむバララ、またロックパイの
ために暴走してしまうマッシュナーなど、女性陣の感情が
溢れだしていたという部分で面白い回でもありました(笑)。
本作は妙にカップリングにこだわっているなという印象も受けるの
ですが、男女の関係のありようも本作の意図して描きたい部分と
解することが出来るのでしょうかね。
そのように各カップルがデレついている(笑)中にあって、
ベルリだけが失恋している、という対比も面白いのかも。
いやマニィもどうなるのか気になるところですが。

クレッセントシップを盾にしようとするメガファウナは
かつてサンクト・ボルトを盾にして攻撃を避けようとしていた
様子をも思い出すところ。それは結局権威にすり寄っているのかと
いう話にもなりますが、たくましくしたたかに権威を利用して
いるのだとも取れるでしょう。

今後の展開的には金星を舞台にしていくと思われますが、
物語的に見てみれば、トワサンガをいわば中継ポイントとして
ワンクッション置いて展開する意味はあったのだろうか、とも
思えなくもありません。結局トワサンガ編(?)ではほぼ
軍事関係者の絡みしか前面に出てこず、トワサンガの一般的な
生活の匂い、風景、人の姿のようなものは希薄であった気が
します。もちろんレイハントン家の支援者たち、あるいは
ラライヤたちレジスタンスも存在は語られたのですが、記号的
役割存在以上ではなかったように思います。キャピタル
テリトリィの人々の姿が生き生きと描かれていたのを
思い起こすと、ちょっと見せ方が不足していた感はあるかも。
そうであれば、むしろ地球と金星との関係に簡略化して
(あるいは金星の役割をそのまま月に置き換えて)構成して
しまっても特に問題はなかったのではないか、という気も
しなくもありませんね。


[No.2963] 2015/02/01(Sun) 17:59:25
全体的な説明不足感と唐突な展開には慣れたし、 (No.2958への返信 / 2階層) - 暗之云

これはそういう作品として観るものだと思っているけど、今回になっていきなりGセルフ(YG111)争奪戦が始まったのはちょっと受け入れ難かった。

だって14話では「ウチにあった試作機」程度の認識、15話では「こっちは正式採用したモランなんだぞ!」と評価の低さを視聴者に印象付けて、16話でレイハントン家の姉弟捜索という使命を持っていることこそ明かされたけどそれはレジスタンス側が仕掛けた極秘の機能。17話では核自爆装置の存在が明かされたけどそれまた秘中の秘で……。

ええと、あれ? 結局トワサンガ正規軍(マッシュナー)がYG111を手に入れようとしている理由って、劇中で一度も語られていないような? マスクはマスクで初めは「トワサンガが欲しがっているからGセルフよこせ」と言っていたのが、後では「クンパ大佐に解析させろ!」と言ったりでシッチャカメッチャカ。正直これ、制作者も状況を整理できていないんじゃ……。まー、そんな中で「(なんだかよくわかってないけど)Gセルフは人質にする価値があるから私に貸すんだ!」と言う天才クリムが一服の清涼剤のようだった。

ていうかクレセントシップがレイハントンサインに反応した、という終盤の展開からすれば、マッシュナーやクンパはそれを知っていてGセルフを掌中に収めようとしていた〜とするのが妥当だったんじゃないかなぁ。


[No.2965] 2015/02/03(Tue) 00:55:08
シンプルに (No.2965への返信 / 3階層) - 九条神樹

コンペ落ちの駄作のはずなのに妙に強い、これおかしいんじゃね?
捕まえて調べないといけないんじゃね?……で解釈していい気も
しますが(笑)。マスクの態度に関しても、まず解析して性能を
把握した上で取引材料にする、という判断ならそれはそれで筋は
通るようにも思います。まあそれもあくまで視聴者の一判断に
すぎないのですけどね(笑)。

毎回毎回、どころか毎シーンごとにめまぐるしく状況判断して
いかないといけない作品であることは確かですし、間違いなく
それは意図してそのように作っている作品なので、そういった
製作側の意図の是非については議論が出るところだろうとは
思います。演出論というよりは物語論の次元での話になるの
でしょうね。

毎回必ず戦闘シーンを入れる、複数陣営を出して勢力を入り乱れ
させる、というのは富野さんのお馴染みの手法ですが、悪くいうと
ややパターンにはめた手癖で作ってるのかなあという感はしなくも
ありません。
新たなRCという世界を創造しておきながらも、結局はUC世界に
直結する物語であって仕切り直しなどではなかった、ということ
などと合わせて、ちょっと考えさせられるところかも。


[No.2968] 2015/02/05(Thu) 19:51:55
★☆第19話『ビーナス・グロゥブの一団』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

新たな金星勢力が登場。またややこしくなるのでしょうか(笑)。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.2969] 2015/02/05(Thu) 19:54:41
珍しく (No.2969への返信 / 2階層) - 九条神樹

本当に珍しく、今回はメカ戦がありませんでした(笑)。実際
それでもちゃんと今回のように進行するわけですから、義務の
ように毎回メカ戦のシーンを入れることにこだわる必要もない気は
しますね。まあメカ戦が入れば入ったで、毎回きちんと工夫を
凝らした演出がされて、見ていて楽しいのも事実なの
ですが(笑)。

今回は全編がクレッセントシップ内で展開する、いわば閉じた
お話になっていましたが、色々なイベントを盛り込んで
いつも通りの(笑)めまぐるしい一本でした。
老廃物を排出する(と同時におそらく汗からDNAを採取する)
ためのマラソンや、宇宙では空気による遠近感が把握できない
こと、そして左右を確認させるために手のひらの発光が異なる
ことなど、SF的なギミックやガジェットの多用が目立った
エピソードでもあります。デブリ掃除の回もそうでしたが、
ずいぶんとこだわって「SFをやっている」感がありますね。
ちょっと作為的にSFをやり過ぎている、とも言えるかも
しれません(笑)。ドラマを描く上でそんな細かい描写は
必要なのか、とも思えなくもないですが、まあ面白いから
いいか、ということで(笑)。
実際、そういったSF描写が、今回のマラソンやデブリ掃除の
ような、「シーンとして面白い」出来に直結しているわけ
ですからね。そういった話の作り方は説得的で納得のできるものと
言えるでしょう。
まあ、MS内のトイレ設定など、妙にこだわった割にはほとんど
意味のなかったように見えるギミックもありますけれど(笑)。

冒頭は、フラミニア先生がビーナスグロゥブの人だったなんて!と
いう相変わらずのぶっつけ展開から入りましたが(笑)、さらに
そこから、フラミニア先生がジット団の一員だったなんて!という
二重のぶっつけ展開に(笑)。正直フラミニア先生はそれほど
印象に強いキャラではなかったので、視聴者としては特に衝撃も
受けるわけではないのですが(笑)。この辺は、ルインの描写を
十分にしないままにマスクが登場してしまった時の感覚と
どことなく相通じるものがあるかも。

マラソンやシャワーシーンを見せて今回はほのぼの展開かと
思わせてからの後半の急展開は、それでも話をきっちり締めて
いました。ジット団の連中はようやく登場した分かりやすい敵役
なのかな、とも思いますが、でもキア・ムベッキがわざわざ
艦長に名刺を渡していたり、チッカラがコクピット内で筋トレ
したりしている時点で、実はこいつらもいい奴なのかもしれない
オーラを感じもしますね(笑)。

本編の内容としては、数字とデータでしかものを考えられなかった
アイーダに現実を直視させる、というはっきりしたテーマが
語られました。もちろんそれはアイーダのみならず、視聴者
すべてに向けられたメッセージでもあるでしょう。
とにかく行動せよ、という製作側の強い意図は、ED曲の歌詞からも
伝わってくるものですね。複雑に情勢が絡み合ったGレコの
伝えたい本質はそのようにシンプルなものである、というのも
面白いと言えるのかもしれません。


[No.2977] 2015/02/08(Sun) 17:28:33
宇宙遠近法 (No.2977への返信 / 3階層) - 暗之云

> 宇宙では空気による遠近感が把握できない

宇宙の遠近感を具体的に描写したアニメって、ひょっとして『宇宙戦艦ヤマト』のダミーバルーン以来でしょうか? その間に何か別の作品があったにせよ、かなり珍しいこだわりでしょう。

……まぁ、それをやるなら宇宙が本格的に舞台となったザンクトボルトあたりでやっておきなよ、という気もします(苦笑)。右左とかも含めて。

ただ半面、マニィが星々に手を伸ばして「どの星がルインのいる星なのかわからないんだよ…」というあたりは、いささか情緒的過ぎるものの、月もトワサンガもはるかに越えて〜ええ〜♪ 遠く金星近傍(?)の宙域まで来たムードをよく伝えてくれました。

さて、舞台を変えての新展開でキャピタル・アーミィもトワサンガもアメリア正規軍もひとたび舞台から降りて、新勢力ビーナスグロゥブにジット団が登場した割にはスッキリわかりやすい話でした。前回指摘した「トワサンガ正規軍(マッシュナー)がYG111を手に入れようとしている理由」も、ビーナスグロゥブ(ジット団?)の依頼だったということなのでしょう。……毎度のことながら直接の説明はありませんが。

> ジット団の連中はようやく登場した分かりやすい敵役

大義を掲げるわけでなく、信念・信仰もどうやら無さげで、きっぱり私利私欲で動いているらしい敵役で、これはこれで面白いんだけど正直ちょっと浮いてる感じがします。クレセントシップの艦長たちは警戒するどころでなく、そもそも存在すら知らないと描写されていたことにそれなりの意味があると思いたいところですが…。


[No.2978] 2015/02/08(Sun) 20:49:34
MSという代物 (No.2978への返信 / 4階層) - 九条神樹

いかに理屈をつけようが結局は玩具めいたマシーンであるMSを
毎週毎週ビックリドッキリ的に(笑)律義に出してくるという
スタンスと、細かな部分でサイエンスフィクション的な描写を
多様に盛り込んでくると言うこだわりの、一種のアンバランスさ、
不統一感みたいなものがかえって面白かったりもしますね(笑)。

マニィのつぶやきは、居住圏が地球と金星ではっきり異なって
しまっていることを示すものでもありました。そうでありながら
ビーナスグロゥブの人々は、やはりエゴや打算など色々な意味で
「地球人」であり続けている、という姿がジット団によって
仮託されて象徴化されたものであったのかもしれません。
トワサンガでもそうでしたが、どこに住もうが結局人間が
聖別されることはない、という姿を現したものとして、一種の
皮肉な様相とも言えるのでしょうが、本作においてはむしろ
どこに住もうが地球人としての本来のバイタリティを失わない
人々がいる、というプラスの方向に評価してもいいのかも。


[No.2981] 2015/02/12(Thu) 19:31:25
★☆第20話『フレームのある宇宙』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

いい感じに厨二心を刺激してくれるサブタイトルのような気が
します(笑)。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.2982] 2015/02/12(Thu) 19:34:07
押すなよ絶対に推すなよ (No.2982への返信 / 2階層) - 九条神樹

ザンクト・ボルトやクレッセントシップなど、戦火を避けなければ
ならない特定の物体を背景にしての戦闘、というパターンは何度か
繰り広げられてきて、いずれも被害は与えずに済んできたの
ですが、今回とうとう明確な、そしてかなりヤバそうな具体的
被害が出てしまいました。いわばネタ振りを繰り返したうえでの
オチというような構成とも言えるでしょうか(笑)。
金星付近にあれほどの極大規模な人工環境を作り上げる人類の
英知と技術の素晴らしさを見せておきつつ、でもそれをアホな
行動でブッ壊す愚かさ(笑)も併せて描く皮肉な対比法という
ところでしょうかね。

今回メインの販促対象だった(笑)ジャイオーンは確かになかなか
魅力的なメカで、ビッグアームユニットを使っての個性的な
戦闘は映像的にも強い印象を残してくれました。そして、その
ような強力なメカを使っているキアが残念な男(笑)、という
これまた面白い対照でもありました。
一方Gセルフはキアのようなビーナスグロゥブの、しかも技術畑の
ジット団の人間からしても不可解な高性能機であるらしいことが
伺えました。
ある意味で本作の一番の焦点は、Gセルフそのものが一体
何なのか、という部分に集約されてくるのかもしれませんね。

キアの描写を見ていると、クレッセントシップの艦長さんが
言っていたように、「本当に悪い人間はいない」世界観なのかなと
いうのもなんとなく伝わってくるような気はしますね。まあ、
モブキャラを何人も撃破してましたけど……(笑)。

とはいえ、キアは地球人の存在価値を認めていなかったりも
するわけで、やはり単純に善良とはとても言えない人間では
あるようですね。アイーダが、ジット団は自分たちをクンタラに
するつもり、と評していたのも厳しい見方で、金星人が地球人を
差別するのと同様にまたアイーダ達の中にもクンタラに対する、
差別とは言わないまでも「別の存在」という認識がやはりあるとも
言えるのかもしれません。人の意識の底流にある負の部分は
なかなかぬぐえないものであることを示してもいる、といえる
でしょうか。

そういった中で、先頃から少しずつ言及されるようになって
きたのが、将来のノレドの歴史学者への道。物語が終わった時に
ノレドがその語り手として位置づけられるのかもしれない、と
いうことも想像されますね。出撃前にパイロットたちが円陣を
組んでいる様子を、ノレドがパチンコを構えて距離を置いて
見ていた場面はちょっと印象的で、どの集団に対しても完全に
同調することなく一定の客観性を持って視野に入れていることを
あるいは示すものであるかもしれません。そういった姿勢は確かに
歴史学者として必要なものになって行くのでしょうね。


[No.2987] 2015/02/15(Sun) 17:33:34
ジット団も詰まるところはレコンギスタが目的だった。 (No.2987への返信 / 3階層) - 暗之云

うーむ。これまでの直接の描写を追う限りでは、トワサンガにレコンギスタが企む勢力が動き出したのと、たまたま時期を同じくしてジット団も活動を開始したように見えるのがチト辛い。

「ヘルメスの薔薇の設計図」を密かに地球圏に提供し、宇宙に出てくるように仕向けたことがまずレコンギスタに向けた準備で、その過程でトワサンガにも協力者を得ていった……とかまぁそういう背景が想像できないわけではないけど、いずれにせよ本編では触れないんだろうなあ。

ていうかこの段階で残り6話ではこのアニメもうマトモに幕を引けないね(笑)。この場にマスクや天才クリムやクンパがいない(そして後から追いつきようもない)のが痛い。彼らはここで何が起きているかの情報すら得られないわけだけどどうするんだ? ジット団がレコンギスタを敢行して地球圏に向かって、そこでいずれかの勢力と合流する?


[No.2990] 2015/02/17(Tue) 00:21:34
幕引き (No.2990への返信 / 4階層) - 九条神樹

具体的な着地点がよく見えない、というのは何度か自分も書いて
いることですが、本作の場合は物語上の分かりやすい大目標が
全く提示されていないために、漠然とした不安定感が常に視聴者に
付きまとっていますね。もちろんテーマ的には、自分の目で直接
世界を見ることそのものが目的で、そういう意味では金星に来た
ところでだいたい目的は達したのだ、とは言えるのでしょうが。

あえて言うなら世界を見てその上でどうするのか、そこから
さらに先に行くのか、あるいはしっかりとした視野を構築した上で
改めて地球に戻るのか、というあたりが最終的な分岐点になるの
かもしれません。地球に戻るのならまたそこで各種勢力と合流
して、そしてまたしっちゃかめっちゃかなことになるの
でしょうか(笑)。
ただそうした場合、各陣営の若者たちの象徴であるマスクと
クリムが(ロックパイも?でもトワサンガ陣営はリンゴに
代表されるのかな)金星行きに同道しなかった、というのは
経験の共有という意味では残念なことでもありますし、また
その経験と知見の差が、ベルリたちとマスクやクリムたちの
最終的な亀裂の元になりうるのかもしれない、という不安も
なくはないかもですね。


[No.2993] 2015/02/19(Thu) 19:38:20
★☆第21話『海の重さ』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

舞台が宇宙ということを念頭に置くと素敵なマインドを感じる
サブタイトルですね。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。深夜になるかも。


[No.2994] 2015/02/19(Thu) 19:41:19
早い!早いよ! (No.2994への返信 / 2階層) - 九条神樹

もう地球圏帰っちゃうんだ(笑)。
トワサンガの時もそうでしたが、地球とは異なる生活圏に移動
して、そこの人間や暮らしのあり方、ものの考え方がどう異なり
どう同じなのか、を十分に描く前に次のポイントに移って行って
しまうめまぐるしさがありますね(笑)。ポイント到達自体が
目的で、それでフラグが立っちゃうRPGのような感覚、とも
言えるかもしれません。個人的にはもっと、様々な生活圏の中で
人はどのようにあるのか、という描写を見たい気もするのですが。

とはいえ、今回登場したラ・グーの「ムタチオン
(ミューテーション)」という様相は確かに人の変容では
あります。長命種という分かりやすい異質性ですが、それは人の
本質的部分の変化というよりは表面上の現れの変化にすぎないよう
にも見えるかも。ともあれ、ムタチオンがどのような原因で
生まれ、それがどのように作中で処理されるのかは、本作の一つの
焦点になるのかもしれませんね。本作にはすでにクンタラという
特殊(であるようにされた)なヒトが存在するのですが、
クンタラとムタチオンという二つの「別枠の人間」を対比して
描かれる対象として規定していったりもするのでしょうか。

今回の主役はキア隊長。色々な意味でインパクトの強い人でした。
彼の死にざまは、地球人のせいでと言ったり野蛮人と言ったり
などの言動も含めたあらゆる意味で自業自得であり、同情の余地は
ほぼまったくないのですが(笑)、それでもどことなく人の良さが
透けて見える不思議な造形でしたね。クレッセントシップのクルー
たちに仕掛けた爆弾も実は玩具であったというオチは、「本当に
悪い人間はいない」という前回のクレッセントシップ艦長の言を
裏付けるものでもありますが、意地悪に取れば、ジット団には
テロリズムを行うに当たっての覚悟が本当には決まって
いなかったのではないかとも言えるかもしれません。
ただそれでも、十数万人の命を救うために迷わず自己犠牲を選んだ
キアの魂にはある意味の高潔さを感じても良いのでしょうが、
そのキアが平然と地球人を野蛮人と呼びオーブンで蒸し焼きに
しようともする、その認識の落差が恐ろしくもまた悲しい部分でも
ありますね。

そのネーミングからあるいはラスボス機体ではないかとも目されて
いたGルシファーは、まさかのノレドとマニィによる鹵獲(笑)。
もっともマニィがGルシファーを持ってマスクのもとへ奔るかも
しれないという可能性はまだあるのでしょうが、このまま二人の
専用機にでもなったら、まあかなり意外ではありますね(笑)。
正直、Gセルフ以外の味方側機体は、アルケインを筆頭にあまり
その魅力を出しきれてはいないので(笑)むしろ敵側に渡った方が
機体としては存在感を発揮できるのかもしれませんね(笑)。


[No.3001] 2015/02/22(Sun) 19:37:29
遥かヴィーナス・グロゥブくんだりまで出かけた理由 (No.3001への返信 / 3階層) - 暗之云

え? あれ? ヴィーナス・グロゥブの偉い人に会って「フォトンバッテリーの不合理な供給体制はどういうことか」とか「何故『ヘルメスの薔薇の設計図』なんて争いの種を地球圏にやったのか」を問い質すためじゃなかったっけ?

ところが設計図を密かに提供していた(と思われる)ジット団のリーダー・キアは真意を語ることなくあっさり死亡。

巨大な薔薇が思わせぶりに映った次のカットでついにヴィーナス・グロゥブの総裁ラ・グーとの対面を果たすも、フォトンバッテリーにも設計図にも言及せず。そしてメガファウナ一行もそれに触れず(総裁の年齢とか心底どうでもいいよ・苦笑)。彼らは何をしに行ったんだっけ? それとも私が何か勘違いしてる?

あと、サブタイトルが「海の重さ」で、それを受けるように「宇宙兵器は水圧に弱い!」って台詞があったけど、宇宙から海底を抜けて(それも流出していく水流に逆らって!)洋上に出たというのに、水圧に弱いわけねーだろと思ってしまった。


[No.3002] 2015/02/24(Tue) 22:00:19
ラ・グーとの (No.3002への返信 / 4階層) - 九条神樹

会談は始まったばかりですので、核心的な部分については今後の
相互の話の中で出てくるものかもしれません。いくらアイーダでも
いきなり話の頭からズバッと問いただしたりは……するかも
知れませんけども(笑)。まあ彼女も多少は処世術を覚えたの
でしょうかね(笑)。というよりも、実際に目にしたヴィーナス
グロゥブのありように目を奪われていたということもあるかも
しれず、そうあるのがむしろ自然ではあるかもしれませんね。

まあアイーダたち少年少女だけではなく、大人たちもみんな
そうだったと言うのは問題かもですが(笑)。でもみんな基本的に
アイーダを立てていますからね。
メガファウナのクルーは、基本的にアイーダの言に(たしなめたり
文句言ったりはしますが)忠実に従っており、トワサンガ行って
金星行って、というようなトンデモロードに少しは反発しても
良かったのでは、とは思ったりするかも(笑)。


[No.3005] 2015/02/26(Thu) 19:24:01
★☆第22話『地球圏再会』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

地球圏を舞台にしての最終展開、ということになるのでしょうか。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.3006] 2015/02/26(Thu) 19:25:36
コントロール (No.3006への返信 / 2階層) - 九条神樹

いろんな意味でコントロールできてない!というお話(笑)。

物語的にはクンパ・ルシータの背景が語られました。人の活力を
回復あるいは持続させるために戦争が必要、という考えは比較的
オーソドックスなもので、ガリアンのマーダルなど様々な先駆者が
想起されますね。というかザブングルの構図でもあるかな(笑)。

しかしクンパの場合は、一応戦争の火種は撒いたけれど、その
結果に関して完全に制御を失っている(あるいは元々制御する気も
なかったのかもですが)というのがちょっと面白いポジション。
かといって達観して自分は観測者だなどと言っているわけでも
なく、ことあるごとに色々愚痴をこぼしているのが楽しい人
ですね(笑)。ほとんどすべての事態の原因を作った人間で
あることは確かですが、黒幕というわけでもない、という独特な
位置づけになってきていています。

クンパの意図としてはむしろ、人々が勝手に動き出して適当に
戦乱が拡大すれば、それはそれで彼の思惑通りなのではとも
思うのですが、そこはやっぱりある程度クンパ自身の思い描いた
絵図のようなものがあって、それには全く合致していないの
かもしれませんね(笑)。
もっとも、クンパがかつてテリトリィのお祭りに不快感を示して
いたのは、彼の企図が明らかになると不思議といえば不思議かも。
あのお祭りの、猥雑でありながら活力に満ちた、エネルギッシュで
バイタリティ溢れる人々のあり方というものは、まさにクンパが
求めていた姿そのものではないのか、とも思えなくもないの
ですけども。

またムタチオンの本当の姿も明かされました。地球人からすれば
天上人のようなビーナスグロゥブの人間が実態としてはあのように
なっている、というのは皮肉な話。そのような身体になっている
ことを自ら恥じて隠そうとしているという価値観や精神性自体は
地球人のままだと言うのが哀れなところですね。これが新しい
(あるいは別世界の)人間の普通の姿だ、と割り切って受け入れ
られてはいないわけで、それが結局は人の限界でもあるの
でしょうか。

ムタチオンのラ・グーが、穏やかというよりはすっかり枯れた
ような人間として描かれているのは印象的。ベルリたち若者が
わざとらしいほど活動的でとにかく考える前に動く!(笑)という
姿との、おそらく明確な対比として語られ、それはアイーダの
「私は人間の女として健康」という独白にも裏付けられるもの
でしょう。冷静に考えれば、ムタチオンが本当に忌避されるべき
存在なのかという検証は全くなされていないのですが、少なくとも
作品中としてはこれを否定的に捉えて表現しているということでは
あるのでしょうね。

そしてまた相変わらずトンデモな戦闘力を発揮するGセルフもまた
ベルリの意図するところからは大きく外れた極端な殲滅兵器と
しての姿を明らかにしつつあります。って言うかほんとに
この機体は何なのでしょう(笑)。イメージとしては∀の月光蝶に
類似するように見えるフォトントルピードですが、表現としては
よりシンプルであり、それゆえにまた純粋な破壊のための存在に
見えもして恐ろしいところです。

人間関係としては久しぶりに再会したベルリとウィルミットの
姿も注目点でした。ウィルミットは結局いまだに子離れできて
おらず、ベルリを庇護対象として捉えているように見えますが
ベルリは母のあり様に軽く不平を洩らしつつ、しかし彼女の存在を
誇りに思えるという成長を示してくれていました。

お話としてはベルリたちが金星に行っている間に色々めまぐるしい
動きがあったようです。もちろん各陣営が、主役がいないからと
いって黙って現状維持しているわけもないですから当たり前なの
ですが(笑)、視聴者としてはやっぱり驚きます(笑)。それは
受け手としての甘えの姿勢なのかもですけどね(笑)。


[No.3012] 2015/03/01(Sun) 17:39:54
いろんな意味でコントロールできてない! (No.3012への返信 / 3階層) - 暗之云

「状況をコントロールできなくなっている」というのは作品内だけでなく、作品外の作り手たちについても言えるのかも。ていうか、そういう見方で面白さを見出していかないと、もう付き合ってられません(苦笑)。

前回の感想で触れたとおり、主人公連中は何の目的で金星近傍まで出かけたのか忘れ去られただけでなく、敵方も何が目的やら描けていませんでした。ジット団(及びトワサンガ内の不穏分子)って、何だってレコンギスタとか言い始めたわけ? そしてそれはどれくらいの規模を想定しているの?

ヴィーナス・グロゥブの生活に差し迫った危機があるわけじゃないよね? 何を突然地球回帰なんて言い出したの? そして何故強行する? ヴィーナス・グロゥブ内でジット団が支持を集めている様子も無いから、仮にレコンギスタを敢行したとして多くてせいぜい百人規模じゃないか? だったら何も武力を行使するまでもないだろう。

一方、地球圏で騒動の種をまいたクンパ・ルシータはかつて「地球人は滅びるべき」とうそぶいていたのに、今回は真逆のことを言い出していて、これも困惑させられました。

ラ・グーもよくわからない。ムタシオンが嫌なら自ら(あるいは社会でルールを設けて)適当なところで命を絶てばよかろうものを、何でからくりボディをこしらえてまで生に固執するんだ?

現実の日本を反映して、例えば「長命の代わりに生殖能力は失われ、次の世代が生まれない・育たないまま、ただ年寄りたちが漫然と生き永らえている」みたいな設定ならばまだわかるけど(あるいはそういうウラ設定かもしれないけど)、そうとは描かれてないんだよなぁ……。

あるいは、身体の変化に重きを置いたムタシオンを出すことで、精神が進化したニュータイプを改めて描く意図もあるのかもしれませんが、それをやるならもっと早く仕掛けてよと言わざるを得ない第22話でした。


[No.3013] 2015/03/04(Wed) 00:44:43
どこまで (No.3013への返信 / 4階層) - 九条神樹

作り手は具体的な説明をするべきなのか、どこまで視聴者は
積極的好意的解釈をするべきなのか、というのは難しいバランスの
問題ですね。製作者が頭の中で納得している部分について
視聴者にすべて分かれというのはそれこそニュータイプでなければ
難しいでしょうし(笑)、また逆に、一から十まで全部言葉で
説明しなければだめ、というのもそれはどうなのかと思えます。

すべてが終わった後に振りかえらないと分からないところも
もちろんあるのでしょうが、現時点では少なくともジット団の
レコンギスタの目的は、ムタチオンが描写されたタイミングや
クンパが人の活力を呼び起こすために動乱を起こそうとしたという
背景説明と併せて考えて不自然ではないように思えます。
クンパが弱肉強食宣言をした、という事実が「事件」とまで
呼ばれている以上は、それがヴィーナス・グロゥブの人々に
広く一定の影響を与えたであろうことは想像がつきますしね。
(もちろんそうではないかもしれません。今後の展開で
そうじゃないんだと分かるかもですし(笑)。だからあくまで
「現時点では」の話ですが)

まあ、ジット団のみなさんの結構シンプルそうなおつむを見て
いると、人類の活力がどうこうというよりも、ただ単に故郷に
帰りたいというだけの単純な話かもしれません(笑)。それは
それでシンプルですが強力な動機ではあると思いますし。

ラ・グーに関しては。地球を別の銀河に飛翔させる遠大な計画を
遂行しているわけですし、自己都合で簡単に死ぬのは無責任
でしょうね(笑)。もちろんこれも「現時点では」ですが(笑)。


[No.3016] 2015/03/05(Thu) 19:51:45
★☆第23話『ニュータイプの音』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

ニュータイプの修羅場が見れるぞ!(?)
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.3017] 2015/03/05(Thu) 19:53:43
ほんとに (No.3017への返信 / 2階層) - 九条神樹

「ニュータイプの修羅場」が始まりそうな雰囲気です。
ネタだったのに(笑)。
ネタといえば、クンタラとビーナスグロゥブの人々との共通性が
少し言及されましたが、やはりこの二つの「種類」の人間の配置は
意図したものであったのでしょうかね。

今回の最大のポイントであり衝撃は、ロックパイの戦死。
……いやまあロックパイ自身はマッシュナーのキャラを描くための
ガジェットのようなものであって、彼自身にそれほど強い個性が
あったわけでもなく、視聴者的には特に感情移入も親近感もない
人だったのですが(笑)。衝撃なのは彼個人の問題ではなく、
「EDのラインダンス組の中からついに脱落者が出てしまった」と
いうことですね。
つまり、「ああこの作品、人死ぬんだ」ということを宣告されたと
言う部分のショックがあります。である以上は、もう他の誰が
退場していってもおかしくなく、そうした意味での不穏な空気が
一気に張り詰めてきたと言えるでしょう。今回の富野さんは
白くなかったようです(笑)。一時期白かった作風をここでまた
わざわざ黒く揺り戻すあたり、富野さんのドヤ顔が浮かんでくる
気もします(笑)。
見返してみると今回の冒頭がわざとらしいくらいにコミカル
だったりするあたりもね(笑)。

テーマ的なものとしても、地球人地球人と蔑視するロックパイが
そのまま消えた、という部分に暗いものを感じもしますね。結局
「別の人類」間での相互理解は、少なくともここでは生まれ
なかったと言うことです。EDのラインダンスはまさにそうした、
複数の生活圏で生きる人類同士の連帯を思わせてもいたのですが、
それはただの夢想でしかないのでは、とも思わせます。

その一方で、ビーナスグロゥブの兵を救うために危地に飛び込み、
それ自体は叶わなかったけれど奮闘を認めてもらえたベルリの姿は
一つの希望ではあるのかもですが。ただそのベルリが結局
ロックパイを明確な殺意を持って殺してもいるわけで、シンプルに
ベルリがすべてを救えるわけではないし救おうともしていない、と
いう事実は重いものであるかもしれません。
その、ベルリが今回はっきりと殺意を持って敵を殺し、その結果
強いプレッシャーを受けてしまった、という点が、今後彼の行動に
どう反映されてくるのかはまだわかりませんけれどね。

周辺的な部分に目を向けて見ると、アイーダとグシオンの決別が
注目点でしょうか。前回の、ベルリとウィルミットとの別れに
対応したものでもあるのでしょうね。ベルリ親子と同じに、
別に感情的な対立があるわけでもなく、お互いを思う気持ちは
変わらず、しかし生き方の点で既に同じ道ではなくなっている、
という子の巣立ちをさらりと描いていました。どちらが是という
わけでもないでしょうが、相いれなくなってしまった親子の姿を
しかし過剰に重くもウェットにもならずに見せており、ベルリと
アイーダの物語の一つの部分での回答をここで見せているのかなと
いう気もしますね。


[No.3021] 2015/03/08(Sun) 17:19:54
★☆第24話『宇宙のカレイドスコープ』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

今回も犠牲者が出てしまうのでしょうか。
自分の感想は日曜日の夕方以降です、


[No.3024] 2015/03/12(Thu) 21:00:14
綺麗なタイトルで (No.3024への返信 / 2階層) - 九条神樹

油断させておいて、一気に人員整理に乗り出しました(笑)。
いや実際画面的には綺麗でしたけどね。
ユグドラシルのテンダービームは、SF的こだわりが強い本作の中に
あって、独特のファンタジックで幻想的な描写を持って絵作りされ
強い印象を残しました。そのビームで多くの人間が命を落として
いくという冷酷な現実、またこれを操るバララの狂気めいた
表情と言動が、美しい画面といい対比になっていましたね。

ドレット、グシオン、そしてバララが今回のメイン退場者。
もっともバララはユグドラシルから脱出していたようにも
見えますので生存しているかもしれませんが。
バララは前述のように、ユグドラシルを操りつつ、これに飲まれて
いるのではないかとも思える鬼気迫る姿が描かれていました。
出撃前、マニィにマスクを譲ったように見せておきながら
その内心はマスクへの未練とマニィへの感情がドロドロと渦を巻く
生々しくも禍々しい女の情念を見せてくれるキャラとして、一気に
強烈な印象を残しましたね。
マニィに「自分はもういい思いをしたから」と言い残して出撃
するところまではいわゆる「いい女」でいられたでしょうし、
そこで完結してもバララはキャラとして仕上がったと思うのですが
あえて内心はそうではなかった、とすることで、もう一段
人物像としての面白みを作り上げていて興味深い子でした。

そして、バララとマニィにそこまで想われるほど、マスクは
価値のある男性なのか、という皮肉な部分も突きつけていた
ともいえるでしょうか(笑)。
ベルリと友達になって欲しいというマニィと、これを拒むマスク
との会話は、マスクがいかに妄執と嫉妬、怨憎に凝り固まって
しまった人物であるか、という哀れな姿を端的に示していました。
マスクを単に小人といいきるのは簡単なことかも知れませんが、
クンタラという重い設定が事実としてあるだけに、器が小さい
だけの男だとも断じ切れない部分はありますかね。
しかし、クンタラの出自が、そのマスクの我執の最も根源になる
部分である以上は、もっと作中ではっきり分かるように具体的に
クンタラとは何だったのか、を描くべきであったかもしれません。

ドレットとグシオンという、いわば「老人たち」が人員整理の
先頭に立ったということに一定の意味合いを見出すことはできるの
かもしれません。しかし、若い世代の代表の一人であるマスクも
また結局過去の怨念に縛られたままであるというのは悲しい事実
ですね。単純な世代の括りだけでは乗り越えがたい相互理解の
断絶が作中で明確にされ始めているとも言えるのかも。
そして主人公であるベルリ自身もまた、この戦いそのものや、
その背景である価値感・観念の違いに対して能動的に挑戦して
いくという姿勢を見せてはおらず、そこに物足りなさを感じなくも
ありません。
そうであるだけに、本作がどのような着地を見せるのかが
関心の持たれるところであるとも言えるのでしょうけどね。


[No.3028] 2015/03/15(Sun) 20:21:24
★☆第25話『死線を越えて』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

ラス前です。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.3031] 2015/03/19(Thu) 22:09:26
重力に魂を引かれた人々 (No.3031への返信 / 2階層) - 九条神樹

Zあたりの時代だと、この言葉がネガティブな意味を持って
語られていたように思いますが、Gレコの場合は地球への帰還が
必ずしも否定的な意味ではなく、むしろ本来あるべき姿として
捉えられているように見える、というのは比較すると面白い
ところですね。Z時代の文脈で解すれば、結局人は翔べないままに
終わるものなのか、という憐みを覚えなくもないのですが。
次回最終話のタイトルが、ガンダムを知る者なら誰しもがはっきり
覚えているあの文章だと言うことにノスタルジックな意味合いを
持たせるだけでなく、「大地」というものの重みを象徴させ
そこに「立つ」、立脚しそこから始める、ということに重要性が
あるということではあるのかも。必ずしも大地に縛られたままに
終わるのではなく、ムタチオンのような歪んだ形ではなく
改めて飛び立つ時代もいずれ来るのかもしれませんね。
……まあいきつく先は結局ターンAなのですが(笑)。

さて、「重力に魂を引かれる」という意味では、今回目立ったのが
「男の重力に魂を引かれた女」とでもいうべき人々でした(笑)。
マッシュナーは完全に壊れてしまっていましたが、周囲の人々が
そのマッシュナーを見て平然と……でもないですが、少なくとも
反抗したり、また拘束や隔離したりしないで従っているのが、
輪をかけて怖かったかも(笑)。一応ドレット将軍の遺言に
従おうと言うことはあったのかもですけどね。ビーナスグロゥブの
人々が、戦場の光に誘われて行ってしまったように、戦場の熱気に
当てられてまともな判断力を失ってしまっている、ということの
あらわれでもあるのかもしれません。

そしてもう一人、マニィもまたルインの存在に引っ張られて
怖い少女になってしまっています(笑)。マニィとルインが
共に大気圏突入をする際、二人だけの時間の中ではお互いに
まともで微笑ましくさえある思いやりを見せているのが
これまた逆に恐ろしいところですね(笑)。
前話ではベルリとの和解の仲立ちをしそうな雰囲気だった
マニィが、すっかりルインの側に立ちそれを疑わない行動を
してしまっている、というのは、バララの存在もやはり
大きかったのでしょうか。

そのように、理性的な判断を情念が狂わせてしまう、というより
ほぼ現状は各人とも情念のみ、それも個人の情念での戦いに
なり果ててしまっていると言うのが哀れを催します。
ベルリはそんな中で、Gセルフの凄まじい力で「人を救う」
ことへの気づきがありましたが、ここにきてようやくといった
ところでしょうか。ベルリ自身、最初から非常に個人的な感情で
動いていただけに、ようやくあるステージに立てたということ
なのかもしれませんが、全体の流れとしてはややぎこちなさを
覚えもしますね。

次回は最終話。どのような帰結を見るのでしょうか。


[No.3036] 2015/03/22(Sun) 20:00:17
★☆第26話『大地に立つ』★☆ (No.2896への返信 / 1階層) - 九条神樹

ついに最終話。このタイトルの、そしてこの作品の意味するものを
見届けたいと思います。
自分の感想は日曜日の夕方以降です。


[No.3042] 2015/03/26(Thu) 22:37:38
大地に (No.3042への返信 / 2階層) - 九条神樹

……立ってない?(笑)
いやラストはマシーンではなく、ベルリ自身の「足」でしっかりと
富士山に登り、「大地に立つ」をして欲しかったかな、とちょっと
思います。
まあ象徴的な意味合いでしかないのですけどね。もっとも、
もともと忌避されていた存在であるマシーンを、ポジティヴな形で
使いこなして、それにより見聞を広めていくというのは、
いい意味でタブーを乗り越えたということでもあるのかも
しれませんが。

ということで最終話。
「伊達じゃない」や「鈴を鳴らして」など、歴代作品を想起させる
言い回し、そして朽ちたズゴックなどのサービスカットも
盛り込まれて、本作のみならずガンダムという一連のシリーズの
一つのまとめ的な位置付けを狙った印象を受けますね。

ラライヤの言うところの、兵器を玩具にして遊んでいる人間たちは
ほぼ一掃されてなんとなく終戦(笑)という形に。いやまあ
クリムもかなりそれに近い、危うい立ち位置でしたから、死んでも
おかしくなかったのですけど(笑)。なんとか生き残ったのは、
さすが天才というところでしょうか(笑)。
まあクリムの場合は、古い世代である父親を否定して行く新しい
世代、という存在理由があったために生き延びられた、という
感じで解することが出来るのでしょうけどね。
その一方でウィルミットは生存。ある意味ほっとしましたね。
生き方の違いを明確にしつつ、それでも相互を思いやる関係を
新たに築くことが出来たことで彼女は生き残れたのかな。
グシオンもそれに近いところまでは行けたのですけどね。彼の
場合は戦争に主体的に関わってしまったことが命を縮める結果に
なってしまったのかも。

そのように戦いを弄んだ者たちが滅んだということは、クンパの
思惑がある意味で打ち砕かれたことを示したものでもあるかも
知れません。クンパの意図は戦争を起こすことで人類を活性化
しうるのではないか、というものでしたが、実際に人類が兵器を
与えられて為したことは、子供のようにはしゃいで、戦いを遊びに
することのみでした。

もっとも、この戦いがあったからこそ、後の世界で指導者になって
いくであろうアイーダやベルリの視野が開けたのだと考えれば、
逆にクンパの意図は達成され、したがって彼は勝者になったのだと
強弁することも出来るのかもしれませんね(笑)。

まあベルリに関しては、アイーダほど明確な目的意識があって
旅をしていたわけではありませんでしたが。また最終回でも、
ベルリは自らが何も知らないということを知ったに過ぎず、
彼が今後どのように成長していくかは未知数とも言えます。
なるべく人の命を奪わないようにしていた終盤の戦いも、ベルリの
視点としてはデレンセン教官とカーヒル大尉という個人的な死の
関わりからこれを忌避するようになっただけではないか、とも
思えなくはありません。そこには、より広い視点や高い観点からの
戦争の否定という次元にまでは、まだベルリは届いていないように
見えます。それでいい、それが最初の一歩なのだ、とも言えるの
でしょうけどね。

そのように、ベルリの目的が明確ではなく、また最後まで明確に
ならなかった、という部分は、本作の抱える構造的な最大の問題点
ではあったかもしれません。まあ他作品を見ても、別に最初から
はっきりとした問題意識を持っていたりする主人公の方が少ないの
ですけれども(笑)、主人公の主観的な目的が欠如している場合に
それに代替しうる客観的な目標までも提示されなかったん
ですよね。つまり敵対勢力であるジオン軍だったりティターンズで
あったり、あるいはエクソダスの成功であったりなどという
視聴者の視点から大まかな傾向として把握できる大目標が
本作では存在せず、それがなんとなくふわふわした感を与えて
しまった部分はあるかもしれません。
まあ、とりあえず自分で見て聞いて体験して、それから考えろ!と
いうメッセージ自体は良く分かりますし、そしてそれが伝われば
十分なのかもしれませんが(笑)。

実際、本作の戦いは、スケールが大きい割に、実は非常に
局所的なものであって、そもそも地球のもう一つの大勢力である
ゴンドワンが全く関わっていなかったりもしますね。
この戦いで人々が学んだことが人類を変えていく、などとは、
だから決して言えないわけで、それゆえにこそベルリはラストに
旅立たなければならなかったとも言えるのでしょう。

本作は、論理整合性という意味では大きな欠点を抱えていると
言わざるを得ない作品であったとは言えるのでしょう(笑)。
そして同時に、その乱雑さや、いい意味でも悪い意味でも
適当さ(笑)、から伺える、人の生命力としたたかさは本作を
通じて示されていました。
マスクやマニィの心境についてなども考えるときりがなさそう
なのですが(笑)、そのように「考えさせる」こと自体を狙った
作品としてはまさに狙った通りに出来ていたのでしょう。

もっとも、エンタメ作品として「視聴者に考えさせる」ことを
強いる方向性が正しいのかということがさらに問題に
なり得ますが、それもまた「考える」ことの一部になって
しまっていますね(笑)。

ではこれまでのお付き合いありがとうございました。
また他の作品でもお会い出来ればと思います。


[No.3048] 2015/03/29(Sun) 17:55:11
「型どおりでない」「定石を無視している」というのは (No.3048への返信 / 3階層) - 暗之云

斬新であればこそ是非を語ることができるのであって、「型どおりではないけど80年代的古臭さが漂う」ではもう、なんと言っていいやら(苦笑)。

『Vガンダム』で落ち込んで、『ブレンパワード』『キングゲイナー』というリハビリを経て、一時は『∀ガンダム』にまで到達したトミノ監督なのに、しばらく監督業を休んでいる間に作風が色々と『Zガンダム』の頃に戻ってしまったというのはちょっと興味深いです。しかもおそらく、この先ほとぼりが冷めても今度は「失敗作でした」とは言わなさげなムードで、どうあれこれを到達点として受け止めるべきなんでしょう。

ただ、ストーリーやキャラクターを追わずに、なんにも考えずに目先だけでロボットのドンパチ&チャンバラを見ている分には気持ちいいアニメなんですよねこれ、困ったことに。

「兵器を玩具にして遊んでいる」、というのは作り手の自己言及にも聞こえるのですが、さてどこまで自覚しているのやら。

>ベルリの目的が明確ではなく、また最後まで明確に
>ならなかった


エピローグから逆算しての思い付きですが、シリーズ冒頭で「ベルリはテリトリィの生活に倦み、外の世界へ旅に出たがっている」という目的ひとつ示していれば、それだけで大方の問題は解消できる気がしてきた(笑)。

とにかくテリトリィの外に出たいと思っているから、当時は敵だった海賊の元へ行っちゃうし、月にも金星近傍にもひょいひょい付いていく。とにかく行って見てみることが目的であれば、何もせずに帰ってきてもマァ納得できる。

デレンセンは尊敬する教官であるけれど、テリトリィの抑圧の代表でもあったから、殺害を実はただ悔いるだけではなかったりする。

ルインの視点に立てば、長官の息子で飛び級生という生まれつき恵まれた境遇を捨てて旅立とうなんてフザケンナって話になり、あの激しい憎悪も理解できる。

物語の全体像としても、「ここではないどこかを目指す」という点でベルリとレコンギスタ勢力は通底し、対称形を成す。

それでももちろん問題は山と残るんですが、実際の作品はこの程度のことすらできてなかったわけで……。


[No.3049] 2015/03/29(Sun) 20:32:22
物語を牽引する (No.3049への返信 / 4階層) - 九条神樹

外的(環境的)動因も内的(心理的)要因も共に兼ね備えている
キャラクターは、結局ベルリではなくアイーダでしたね。そういう
意味では本作の主人公はアイーダであったのかもしれません。
ポンコツでへっぽこなヒロインが、それでも強いバイタリティと
不思議な人徳で事態を世界ごとひっかきまわし、気づけば世界の
真実に迫っていく、……と書くと、実に最近のアニメっぽい作品に
仕上がっているようにも思えますね(笑)。あえてそういった
作風ではなくベルリを主人公に据えたのは、それこそ近時の
アニメ的な「型」を避けたということなのでしょうかね。

まあ、必ずしも物語を動かす役回割りのキャラが主人公である
必要はなく、例えばイデオンのコスモは最後まであくまで
一パイロットに過ぎず、ストーリーの根本に深く関わっていたのは
ベスの方だったりもしますけども。あるいはガンダムでいえば
カミーユとシャアですかね。

基本的にベルリはいい子すぎ、それゆえに最初の動機である
アイーダへの一目惚れという部分に関しても、あまり積極的に
ガッついてはいかなかったんですよね。そこがさらに彼の
モチベーションを曖昧にしてしまった感はあるかもしれません。
その辺は空回りするくらいに自己の目的に対して貪欲だった
マスクと好対照になってはいるのでしょうが。
「妙にひねくれていない、素直でいい子な主人公像」というだけで
富野アニメとしては結構珍しいのですが(笑)、逆に言うと
何故これまでそういった主人公を作らなかったのか、それは
そういう人物では物語を背負えない危険性が大きいからだ、と
いうことを逆説的に、Gレコは示したものであったのかも
しれませんね。

ではお付き合いありがとうございました。
また他作品でもお会いできればと思います。


[No.3052] 2015/04/03(Fri) 20:10:39
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