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No.3363に関するツリー

   機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第二期 感想ツ... - 九条神樹 - 2016/10/02(Sun) 17:31:21 [No.3363]
★☆#36『穢れた翼』★☆ - 九条神樹 - 2016/12/11(Sun) 19:02:48 [No.3400]
★☆#35『目覚めし厄祭』★☆ - 九条神樹 - 2016/12/04(Sun) 17:51:06 [No.3396]
★☆#34『ヴィダール立つ』★☆ - 九条神樹 - 2016/11/27(Sun) 17:46:54 [No.3392]
★☆#33『火星の王』★☆ - 九条神樹 - 2016/11/20(Sun) 19:52:02 [No.3390]
★☆#32『友よ』★☆ - 九条神樹 - 2016/11/15(Tue) 19:48:09 [No.3387]
★☆#31『無音の戦争』★☆ - 九条神樹 - 2016/11/06(Sun) 22:32:37 [No.3384]
★☆#30『アーブラウ防衛軍発足式典』★☆ - 九条神樹 - 2016/10/30(Sun) 17:53:19 [No.3381]
★☆#29『出世の引き金』★☆ - 九条神樹 - 2016/10/30(Sun) 16:33:57 [No.3380]
★☆#28『夜明け前の戦い』 - 九条神樹 - 2016/10/30(Sun) 15:44:25 [No.3379]
★☆#27『 嫉心の渦中で』★☆ - 九条神樹 - 2016/10/11(Tue) 20:21:50 [No.3369]
★☆#26『新しい血』★☆ - 九条神樹 - 2016/10/02(Sun) 17:53:38 [No.3364]



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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第二期 感想ツリー 第1クール (親記事) - 九条神樹

ツリーの名前がすごく長くなってしまいました(笑)。

[No.3363] 2016/10/02(Sun) 17:31:21
★☆#26『新しい血』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

一機から数年後。懐かしのキャラクターたちはそれぞれに成長を
遂げ、同時にその本質的には良くも悪くも変わっていない様子を
見せてくれました。

衝撃的だったのは冒頭のアトラのナレーションでいきなり
ぶちかまされた事実。『少年兵の有効性が認識されてその数が
増え、ヒューマンデブリも増加し……』
いやなんというか、前期の一応の清々しいラストでの勝利を
そのまま今期のディストピアの構築要因に持ってくる、という
割り切ったドライな、というかむしろ露悪的でさえある物語構成は
オルフェンズという作品の何たるかをよく表していますね(笑)。
禁断の技術・阿頼耶識に憧れる新規兵たち、という姿もいかにも
皮肉。
ただ、どうなんでしょうね。オルフェンズって人数が多い割に
個人個人を十分に描くのはあまりうまくなかった印象なので、
新キャラをそんな増やして扱いきれるのか?という不安も
ちょっと……かも(笑)。

結果的にはそれ以外にも、ギャラルホルンの威信低下のため
世界の治安は悪化しているわけで、色々と悪い方向へと転がって
いっている第一羽ということができるでしょう。もっとも、
少なくともギャラルホルンの混乱とそこからの成り上がりに
関してはマクギリスの思惑通りであったのでしょうけれどね。
マクギリスは順調に自分の勢力を伸ばしていますが、その彼の
意図を見抜いてあえて泳がせている、という死亡フラグが擬人化
したようなお偉いさんも登場し(笑)、ギャラルホルン内部での
勢力争いも興味の持たれるところです。

そのマクギリスが「私には既に友人はいない」と言ったセリフは
ガエリオのことを真に友人と想い、それでも手に掛けた前期に
つながるものなのでしょうが、それはそれとして、OPに登場した
謎の仮面の人物は一体誰なのでしょうね(笑)。

ストーリー的にはあくまで、一期を受けて二期の開始という
意味では分かりやすく、同時にそれ以上でもないという、
特に可もなく不可もなく、な物語という構造ではありました。
まあ。初戦は特にギャラルホルンなどではなく雑魚戦から始める、
というのは何となく悠長だなあという感じは受けましたかね。
でもそうじゃないとバルバトス無双が上手く演出できないと
考えれば合理的なのかも(笑)。

いずれはまっとうな商売だけでやっていく、と言い切ったオルガの
その同じ口が、自分たちは戦闘能力しか評価されていない、という
冷酷な事実を告げた、その皮肉な現実が彼を押しつぶさないか、と
言うあたりも気になりますが、まあオルガはだいたい一期から
いつでもプレッシャーで押しつぶされそうになってる人だった
ので(笑)、そういう意味でも一期通り、と言えるかも(笑)。


[No.3364] 2016/10/02(Sun) 17:53:38
★☆#27『 嫉心の渦中で』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

少し遅れました。

さて、前回と合わせてみると、新キャラ・ハッシュを当面の主軸と
して描いて行きそうな流れ。
阿頼耶識を埋め込まれた使い捨ての少年兵たちがどう扱われて
いたか、という一期の一話をを思い出すと、今回の展開には
感慨が深いものがありますね。つまり、その阿頼耶識使いの
少年兵のさらに底辺があり、阿頼耶識使いはその憧れでもあった
のだ、という更なる構造が見えてきました。

なんというか、下を見るとほんとにきりがない世界で(笑)、
だからこそ『のし上がっていきたい』というオルガの欲求が
説得力を持つともいえるのでしょうか。
この少年兵、そして阿頼耶識使いたちへの憧れという現状を
一期のクランク二尉が今見たら果たしてどう思うか、と考えるのも
皮肉な意味で面白いかもしれません。まさに自分自身が、その
少年兵や阿頼耶識使いたちの有用性を身をもって証明してしまった
人になってしまったのですからね。

そうした世界観にマッチしているとはいえ、相変らず過酷な過去を
有したキャラを描いてはその人物像を見せていく、という手法が
多いようにも見えます。全体として「過去」をまず主体として、
そこから足掻いている「今」を見せることを主眼に置いていると
いうか。つまり、「未来」に目を向けているキャラが非常に少なく
思えるわけで、そんな意味でもマクギリスは異色の存在なの
でしょうかね。

アトラは相変わらず天真爛漫で、お揃いのミサンガを自分と
三日月だけの二人だけの共有にせずに、ちゃんとクーデリアの分も
作ってきているあたり、アトラの中のハーレム計画は揺らぐこと
なく進行中なのだなあと思えます(笑)。
ただ、クーデリアの現在の胸中はどうなのでしょうね。一期に
あったような、三日月への淡い想いを今も抱き続けているような
余裕が、果たして今の彼女にあるのでしょううか。


[No.3369] 2016/10/11(Tue) 20:21:50
★☆#28『夜明け前の戦い』 (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

感想の溜まってしまった分を一気に(笑)。

まずは28話。
全編戦闘の派手なアクション回。二期に入ってからの新型MSの
お披露目であることからでしょう、見ていて楽しめる純粋な
ロボットアニメ!(笑)というエピソードになっていました。

バルバトスの、と言うより三日月の鬼神ぶりはもういつものこと
なのですがやはり見ごたえはありましたし、何よりも今回
販促アピール(笑)に大成功したのはグシオンリベイクフルシティ
でしょう。って、長い名前ですね(笑)。そこも含めてインパクトが
ありますが、やはりガンダムフレームだけあって今回の準主役的な
活躍ぶりと様々なギミックが強くインパクトに残る機体になって
いましたね。

鉄華団とギャラルホルンが共闘する、という、ストーリー面でも
面白いというかなかなか珍しい局面。それをさらにBパートで
別系統のギャラルホルンが引っ掻き回すという点でも起伏に富んだ
物語構成になっていました。

で、問題なのはやっぱり謎の仮面の人・ヴィダールで(笑)。
鉄華団とマクギリスの名を聞けば黙っていられない人……いったい
誰なんだ……(笑)という感じですが、個人的には一期は敵も
味方も、最終回付近の雰囲気に比しては、ちょっと生き残りすぎと
いうか、ある程度死者を出しておいたほうが良かったのでは
ないかという感想を持ってはいます。それでもまあ、仮面の
謎の人の今後の行動には、やっぱり興味関心が持たれるところ
ですね。

戦闘シーンがほとんどだったため、ヒロイン組は今回は出番
少なめ。それでも、冒頭のクーデリアとクッキー・クラッカーの
語らい合い、特にクーデリアの長い髪を持ってあげているという
細かい演出は目を引いて可愛らしかったですし、アトラも
要所要所で三日月との距離を測り、その身を案じる健気さが
よく表れていました。

さて、次回は新キャラたちのさらなる魅力が引き出されることに
なるのでしょうか。


[No.3379] 2016/10/30(Sun) 15:44:25
★☆#29『出世の引き金』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

前半はバトルパート、後半はドラマパートで緩急のあった
エピソード。どちらも内容が濃く、後半を見終わった時には
前半の内容がずいぶん前のことのような気さえする、なかなか
見ごたえのある回になっていたように思います。

バトルパートではやはりイオク・クジャンととジュリエッタ・
ジュリスの駆け引きが、既に二期の新しい名物になりつつ
ありますね(笑)。
ジュリエッタはもう少し三日月とタイマンで張り合うかとも
思っていましたが、まあ敵の敵同士ではありますし、混迷の戦場で
お互いにに無駄な争いをする暇もありませんでしたしね。
それでも彼女の実力の一端は十分見ることが出来ました。
そしてもうひとつ、イオクの腕前のほども十分に見ることが
出来ました(笑)。ジュリエッタからは邪魔、三日月からは
避けた方が当たりそうとか散々な言われようでしたが、確かに
これは前回、お付きの人たちが出撃を止めるわけですね(笑)。

後半のドラマパートは、どんどんヤクザとしてのし上がっていく
鉄華団を、まさにヤクザ映画そのもののスタイルで描いた部分と
なっていました(笑)。
野菜を育て、教育を広めるという、クーデリアとアトラの優しい
会話の、それは皮肉で哀しい対比にもなっており、印象的
でしたね。
そのクーデリア自身、鉄華団がまた手を血で汚したことを
知りながら、それをある意味肯定してしまっています。現実を
知ったからと言えばそのと通りなのですし、それを自分のせいだと
責任を背負い込んでいるのも彼女らしいのですが、これもまた
哀しい覚悟の決め方ですね。

ラストはマクギリスと鉄華団の同盟締結。
まあ、これまでも事実上マクギリスは鉄華団を自分の思うように
動かして、一期では目的を達成したわけですが(笑)、公的に
手を結んだ、というのはやはり一つの大きな転機でもありますね。
鉄華団が巨大なヤクザとなっていき、その鉄華団とクーデリアや
マクギリスがつながっている、という姿は、かつては清らかな
理想を持った者たちがどうしようもない運命の渦に巻き込まれて
汚れていってしまっているようにも思えます。
それでもクーデリアはまだそれを自覚しているとしても、
マクギリスはおそらく本気でそれが腐敗の払拭につながると考えて
いそうで、彼の真意の今一つ読めないところでもありますね。
当然のように、時期が来たら切り捨てるのだろうとは誰もが予想
できるのですが(笑)。

おひげのあるガンダムではありませんが、ガンダムフレームが
掘り出されたというのもちょっと面白い絵面でした。
さらにMAも存在する様子。どのような活躍を見せるのか、今から
期待したいですね。


[No.3380] 2016/10/30(Sun) 16:33:57
★☆#30『アーブラウ防衛軍発足式典』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

地球と火星ので鉄華団を二つの部隊に分けての展開は、これを
やりたかったわけですね。頼れるメインキャラがほとんどいない
状態での地球支部の危機を描いたおそらく一連の流れの端緒と
なった回でした。

まあ後知恵で考えるなら、地球支部にももう少し主力要員を置いて
おいた方が良かったのでしょうし、また連絡手段を一系統だけに
しておいたのも手抜かりではあったかも。まあそれは全部
視聴者目線だからこそ言えることですけれどね。

地球編のメインはタカキ。
鉄華団は家族、というテーゼは一期から繰り返されていますが、
それを逆手に取られた彼が翻弄される姿は見ていて哀れでした。
トドを別にすれば鉄華団内に明確な裏切り者が発生したのは
初めてで、それほどに固い結束を誇っていただけに、逆に内部の
攪乱工作に対しては為す術がない、という鉄華団の弱点を描いた
エピソードになったということができるかもしれません。

幹部連中が地球に着くまでに三週間かかかる、というのは
あまりにも長い時間で、それまでにタカキが、そしてアストンが
どうこれに対処していけるか、というストーリーになりそうですが
まあ正直ほとんど希望が持てない、詰みとは言わずとも必至の情勢
ですよね。だからこそそこでどんなドラマが生まれるのか、という
興味は生まれるわけですが。まあドラマと言っても主に悲劇にしか
ならなさそうですが……。

事は単に鉄華団内の危機と言うだけにとどまらず世界的な戦争の
引き金になりかねないところまで来ている、という展開は、まあ
正直ちょっと急すぎない?とは思ってしまうのですが(笑)
物語上はどんどん事件が起きた方がテンポは上がりますしね。
そこまでの事態になったからこそマクギリスが出て来てくれそうな
わけですし。

同盟を結んだとはいえ、マクギリスが味方側に都合よく動いて
くれるという保証は一切ないのですが(笑)、それでも鉄華団が
今現在頼れそうな勢力がマクギリスしかいない、というのも
なかなかシビアな話ではあります。
逆にいうと、マクギリスとしてはこれで鉄華団に貸しを作れば
かなり後々有利化も、という計算も働くかもしれませんしね。


[No.3381] 2016/10/30(Sun) 17:53:19
★☆#31『無音の戦争』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

ギャラルホルン内部での勢力争いがアーブラウを巻き込み、
さらに鉄華団を巻き込んで、何かの終わりへと、静かに、しかし
着実に歩んでいく、そんな回でした。

一期では基本的に策を弄する側だったマクギリスが、現状では
少なくとも『髯のおじさま』ことラスタルに、政略の上で劣勢を
強いられているように見えるのはちょっと面白い感じ。

マクギリスを、何をやっても天才的なライバル役として
位置づけるのではなく、そのマクギリスもこうして苦慮することが
ある、と見せていえるわけですね。それは、ある意味マクギリスの
神秘性というか、底が知れないゆえに恐ろしかったという部分を
あえて削って「底」を見せていっている、ということになるわけで
ラスボスかもしれないマクギリスの描き方としては、ちょっと
興味深い見せ方なのかも、という気はします。

まあ、マクギリスがここからどう逆転するのか、既にここまで
読み切ったうえで何らかの手を打っているのか、というのも
関心はありますけどね。

マクギリスは鉄華団と同盟を結んだわけですから、地球支部に
とってはある程度頼れるのかと思っていたら、政治的情勢から逆に
鉄華団と戦わざるを得ない羽目に。これが同盟にどう影響して
くるのか、という部分にも興味は持たれます。

が、やっぱり一番の関心は、次回で誰が死ぬのかってところ
ですよね(苦笑)。
今回はもう全編フラグの山という感じで、そこまでしつこく
死にそうにしなくてもいいよ、という感じでしたが(笑)、
まあそこまでしつこくしたらやっぱり死ぬんでしょう(笑)。
タカキかアストンかどちらか、あるいは両方かはわかりませんが。

ただやはり、軍事顧問という地位を耐えられたにもかかわらず、
「ものを考える」ことができるメンバーを十分地球支部に残して
おかなかったオルガの任命責任は問われそうな感じではあります。
タカキも、「自分が流されている」ことまでは自覚しているだけに
哀れですが、そこからの身の処し方を自分で判断できるほどの
大人ではない、という残酷な事実が、ガランとの絡みで非情に
強調されていました。

少年の行う戦争という、ガンダムシリーズにおけるいわばお約束を
意地悪に描けばこうもなろう、という描きかたをしているのが
狡猾な大人に利用されるだけの不器用な少年たち、という
本作の現状ではあります。これをそのまま貫き通して、思い切り
後味の悪い作品にしても逆に面白そうなのですが(笑)、さすがに
そうはならないでしょうね(笑)。


[No.3384] 2016/11/06(Sun) 22:32:37
★☆#32『友よ』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

まあうまく引っ掛けられたサブタイトルでした(笑)。
引っ掛けというか、ダブルミーニングと言うべきでしょうかね。
狡猾で非情、外道な敵役としてガラン・モッサを描いておきつつ、
ラストでその反対の評価もして見せることで、キャラクター
それぞれの背後にも一つ一つのドラマがあるのだということを
示したエピソードになっていました。
ガランの最期の「予言」は、ジュリエッタがその復讐者となる
ことを暗示しているのでしょうか。

まあ、ガランに比べるとラディーチェはいかにも薄っぺらい
ただの裏切り者でしかなく終わってしまいましたが、さすがに
こっちにまでドラマを用意する尺はなかったでしょうかね(笑)。
彼はむしろ舞台道具として、タカキの甘さ、そしてある意味で
人間性を喪失させる役割があったということにはなるでしょう。
己の度重なるミスでアストンを失ったことをタカキは生涯の
十字架として背負わざるを得なくなりました。
ラデイーチェに撃ち込んだ銃弾はタカキの一つの成長であると
同時に、理想を唱える純粋さを失ってしまった象徴でもあるかも
しれません。
三発の銃弾は、タカキ、フウカ、アストンという三人の「家族」
をシンボライズした数でもあったかもしれませんね。

三日月が、直接アストンを手に掛けたマクギリスに対し、
あまり感情を見せなかったのは少し意外。まあもちろん三日月も
全体を視ればマクギリスが悪いというわけではないとはわかるの
でしょうが。その分、ラディーチェに対してはやっぱりいつも通り
容赦なかったですね(笑)。

この三回のエピソードは鉄華団の未熟さと脆さを描くと同時に、
マクギリスの足場も確かに不安定で危ういものなのだ、という
ことをよく示したお話になっていました。
前期での万能の黒幕ぶりがちょっと上手くいきすぎていたのかも
しれませんが(笑)、よく言えば等身大の、悪く言えば少し
ライバルキャラとしての迫力に欠ける人物としての印象が
上書きされた気がします。ここからどう挽回するか、という
意味では、三日月たちの動向よりもマクギリスの行動の方が
気になるかも(笑)。


[No.3387] 2016/11/15(Tue) 19:48:09
★☆#33『火星の王』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

地球編のラスト、と言った感じのエピソード。
タカキは結局鉄華団を離脱する道を選びました。

「鉄華団は家族だから」とラディーチェさえ信じてきたタカキに
とって、その家族を抜けるという決断は非常に重く苦いもので
あったであろうことが察せられます。しかし彼なりに物事を
考え、「本当に守るべきもの」をいち早く自分自身で見つけた
結果で、妥当なものであったのかもしれません。それまでに払った
犠牲は大きすぎたわけですが。
「疑似家族ごっこ」で危うい道を走り続けている鉄華団と
本当の家族であるフウカとの選択、という局面で本当の家族を
選ぶことができたのはタカキなりの成長であったのでしょうし、
だからこそラストに三日月も『ほっとした』と述懐しているのかも
しれませんね。

基本的に鉄華団はイケイケの集団であると同時に、前期で
ビスケットがいなくなって以降、オルガのストッパーがいない
状態が続いています。メリビットさんも結局、オルガに対して
強くは出られない感じになってしまっていますしね。
そこが鉄華団のまとまりの堅さであり強さでもあると同時に
もろさでもあり危険性でもあるわけで、そういった危うさを
持った鉄華団に、今回さらにヤバい案件が(笑)。

『火星の王』はどう考えてもあっちこっちから目の敵にされる
提案なわけで、マクギリスはもちろんそれを承知の上で盾に
使おうとしているのかもしれませんが、火星の独立という
大義名分にとっては非常に魅力的なことも事実。
もっとも、オルガはそういった政治的な思想というよりも、
明確なビジョンとしてはじめて彼が持ちえた最終的な自分たちの
行く先、という意味でマクギリスの考えに乗ったという感が強く
見えます。それは半グレの少年たちが足掻きに足掻いてようやく
見つけることができた初めての光明とでもいうべきものでしょうし
それだけに哀れさを感じることもできるのですが。

本筋以外だと、今回は昭宏とラフタの進展がかなり明確に描かれ、
二人の行く末が気になる所ですね。進展というか、ラフタが
はっきりと昭弘を意識していると自覚したにとどまっており、
昭弘の方はまだそのつもりはないのでしょうけど。

もう一点は、ヴィダールとジュリエッタ。ジュリエッタは
相変わらずバカ可愛いのですが(笑)、ヴィダールの会話も気に
なります。おそらく彼の言葉はアインを指すものでしょうが、
彼が「近くにいる」とはどういった意味なのか。そのあたり、
ついにヴィダールが表舞台に立つであろう次回には示唆されるの
でしょうか。


[No.3390] 2016/11/20(Sun) 19:52:02
★☆#34『ヴィダール立つ』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

メインはサブタイトルの通りヴィダールの初陣と機体のお披露目
だったのですが、それ以外にもいろいろと衝撃的なことが
多かった回でした(笑)。

メリビットさんとおやっさんのカップルはちょっと予想外
でしたね。てっきりオルガの方のお相手なのかと思って
いましたが。
まあ、大人組として危うい子供たちを見守る立場の二人ですから
価値観は近しいものがあったでしょうし、大人の女として
火遊びの恋よりも安定した愛を選んだ、と言ったところ
でしょうか。何か生々しいですが(笑)、名瀬と女性たちとの
関係についての言及と考え合わせると、今回は女性たちの
愛の選び方についてが隠された主題であったのかも。
女性の愛し方、という隠し主題については、ラストのマクギリスに
ついてもそうなのかもですが(笑)。

女性にとってのみならず、オルガにとっても名瀬は相変わらず
頼れるいい兄貴分ですが、それだけに組織内部での今後の波乱が
容易く予想されます。そういう意味ではギャラルホルン内部での
権力抗争との二重描写ということにもなりますが、複数の勢力
同士が手を組んだりということもあるいはあるのかもしれません。

さて、今回の主役であったはずのヴィダール、その行動目的は
『復讐』であると語られましたが、それだけに囚われているわけ
でもなさそうな雰囲気を感じさせもします。仮面の中身が誰で
あるにせよ、単純に特定個人の誰かを憎み、殺したいというだけの
『復讐』とはまた異なる感情が彼の中にはあるようにも
見えますね。
戦闘シーンは初出撃らしく、ギミックを多用して視聴者アピールを
しっかり行い(笑)、「綺麗」な戦い方を見せてくれました。

ガンダムフレームは他にフラウロスも登場し、後半へ向けて
作品的にも戦力の充実が図られて行っています。あとはこれだけ
集まってきた機体をどれだけ魅力的に見せてくれるか、という
部分に期待が持たれるところですね。


[No.3392] 2016/11/27(Sun) 17:46:54
★☆#35『目覚めし厄祭』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

物語のセオリーとして、古代兵器は目覚めるもの。
という定番を忠実に守ったモビルアーマーの起動回(笑)。まあ
それを言えばガンダムフレームだって古代兵器ではあるのですが。

MAとMSの関係が明言された、設定面ではなかなか面白い
エピソード。まずMAが存在し、それを倒すためにMSが作られた、
ということのようで、ガンダムフレーム自体が化け物じみた
性能を持つ機体としてこれまで描写されてきただけに、その
宿敵と言われたMAはどれほどの災厄を撒き散らすのか、と
いう関心を抱かせてくれます。

MAがラストカットで放ったビームはロングショットで見せる演出が
効果的で、怪獣映画のようでした(笑)。無人自律機ということ
ですし、実際イメージとしては怪獣でいいのかもしれませんね。

ただ、物語としてはまだ中盤であるだけに、メタ読みをすれば、
ここでMAが起動してもラスボスにはなりにくい感じでしょうか。
ラストはやっぱり、『人間の敵は人間』ということになるのかも
しれません。
ドラマとしても、三日月たちの生きざま死にざまを描く物語と
しては、やはりその対比として生きる人間たちを対峙させて
配置したほうがいいのでしょうしね。

そういう意味では、テイワズ内部の勢力争いとギャラルホルン
内部の勢力争いが結びついて、物語的にはかなりすっきりした
印象を受けます。ただ、最後までマクギリスと鉄華団が結束した
ままというのも、これもメタ的にはちょっと考えづらく(笑)、
一度わかりやすく収束した人間同士の争いが、いずれはまた再度
複雑化していくのかな、という感じはしますね。

三日月たちの対照、という意味では、今回描かれた、三日月たちが
無欲すぎる、というよりも欲の通し方さえも知らない、というのは
象徴的な場面でした。鉄華団以外の人間たちは、良くも悪くも皆
それぞれの欲で動いており、それはある意味クーデリアでさえも
そうなのですが、三日月たちは違う、というのはわかりやすい
形での見せ方でしたね。

戦いがなくなったら自分は何をすればいいのか、と呟く三日月には
農場という目標はあったはずですが、それだけではなくもっと
大きな視野に立ったうえでの自分の根本的な生き方についての
漠然とした疑問を抱いた、ということなのかもしれません。
それについてはクーデリアの『教育』が芽生え始めたのかも
しれませんが、ヒューマンデブリの子供たちのように、単に
戦う機械であった方がある意味幸せであったのかも、という皮肉な
描かれ方もあり得るのかもしれませんね。


[No.3396] 2016/12/04(Sun) 17:51:06
★☆#36『穢れた翼』★☆ (No.3363への返信 / 1階層) - 九条神樹

ついにその威容を本格的に現わし始めたモビルアーマーの脅威。
……なのですが、今回最も視聴者の印象に残ったのは、やっぱり
イオク・クジャンの存在感ではないでしょうか(笑)。

どこからどう見てもどう言い訳の仕様もないほどのバカキャラ
なのですし、あからさまにそのバカっぷりを誇張して描かれても
いるのですが、同時に、部下を想って号泣し、その仇を
討とうと奮闘する姿も描かれ、ただのバカではないお人好しの
バカなのだな、という部分の掘り下げも見られました。
まあそれでもやっぱりどうしようもないバカですし(笑)、状況を
悪化させるだけの存在なのですが、逆に言うと、彼に何か
させれば、それだけで状況をどんどん悪化させることができ、
ドラマとして起伏を持たせることができるという意味で、
制作側にとってはとても便利なキャラに仕上がっているとも
いえますね(笑)。それでいて、なんとなく許せてしまえそうな
ある意味での純粋さも描かれているわけですね。

さて、そうは言ってもやはり大きな中盤の山場となったのが
モビルアーマー戦。今回はあくまでその端緒と言うあたりですが、
十分以上に盛りに盛られた(笑)、殺戮兵器としての設定を
見ることが出来ました。自己修復し自動補給し無数の子機を
増殖させていき、何より的確に人命だけを狙って動く、という、
なんともデビルガンダムとF91のバグとガメラ2のレギオンを
足して3で割ったような化け物とでも言いましょうか(笑)。
ラスボスではないのでしょうが、思い切った怪物としての能力を
持ち、しかもそれが天使の名を冠し美しい姿を有する、という
倒錯的なデザインになっているあたりにスタッフの趣味の悪さを
感じます(笑)。

そしてついに邂逅してしまったヴィダールとマクギリス。
MAを相手に一時共闘、という大人の割り切り方ができるのか、
それともここでさらに波乱が起きてしまうのか。
ヴィダールの中の人の思惑やその真意とも併せて、こちらも
強い関心が持たれるところですね。


[No.3400] 2016/12/11(Sun) 19:02:48
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