松原さん、こんばんは! 「堕ちる太陽と燃える月」を拝読させていただきました。
title6にて、アルデリアがユージンに捕まるという大きな話の動き。 おそらく、前回ここまで見ていたらいっきに全話の感想を書きあげていたであろうというくらいに興味をそそられる展開でした。 主人公2人の心の揺れや激情が会話の一言一言からひしひしと伝わってきて、ホイールを回す手が止まりません。 シエナによるフレムデテーネの真実の独白のところなどは、両方の視点で苦悩から疑念までしっかりと書かれていて糸のように紡がれた話…という印象を強く受けました。 アルデリアが自害を図ったところでのシエナとユージンのやり取りですが、アルデリアを助けようとシエナに焦りが生じていたからでしょうか。個人的にですが、面と向かい合う彼の芯の強さを、そしてどのキャラよりもフレムデテーネへの思いが一番感じたシーンです。
そのユージンの「片方を選んだから、もう片方が偽りとは限らない」という言葉。 二人とも互いを憎む動機は十分で、しかし結果的に一度違った道が戻る…話の中で明かされていった互いの「選ばれなかったもう片方」がこの一言で繋がったと感じました。 ユージンの言う「片方」とは、『故国とアルデリアへの愛のどちらか』と同時に、牢獄でのユージンとアルデリアでもあったのかな、なんて思います。 だからこそあの牢獄でアルデリアを選んで助けようとし、自分を(フレムデテーネを)選ばなかったシエナに、彼は祖国の復興という夢を託せたのではないでしょうか。
ダリアの帰りを待つリリィの、その口から出た彼女や母国の過去とそれによる現在の境遇。 図らずもフレムデテーネの災厄をアルデリアに知らせた形になったことで、結果的にアルデリアの中に宿り、妹のように思っていたというダリアの消滅の引き金を引いたことを彼女は知らない…悲しい皮肉に満ちた話にはいろいろ考えさせられました。
メインキャラクターが4人なのにそれぞれがいろんな背景を持っていて、大長編にも負けないような世界観、人間模様を織りなしていたと思います! 物凄く考える面白さをもった素晴らしい話だったと思います。 楽しませていただきありがとうございました!
そして「魔法使いとその弟子」の番外編「後日談 愛の歌を歌おう」も拝読させていただきました。 「堕ちる太陽と燃える月」とのギャップはもはや癖になりそうなほどです(笑) ギャビン青年の唄に対してのレイテのちょっとした反応や、何重にもオブラートに包んだ物言いが逆にツボでした。 グレースはミーナさんの誕生日を知らなかったんですね! でも確かに幼馴染とか身近にいる人とかの誕生日って意外と知りません…よね?(笑) とてもコミカルで楽しかったです。
それでは、長文を失礼いたしました。またお邪魔させてください!
[No.132] 2010/03/26(Fri) 00:54:10 |