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皆さん方の中にほのぼの系ゲーム「どうぶつの森」をやったことがある人は いますでしょうか? 村長が新しく村へやってきたとき、家もまばらでほとんど空き地ですよね。 なぜこんな公共事業も何も無い村になっているのか。 初期状態だから何も無い、というわけではありません。 そこには、ある悲しい物語がありました。
プレイヤーの村長が村に来る前、コトブキさんが村長だったころのお話
昔々、とある山奥に自給自足でどうぶつが100匹暮らす村があった。 その村にいつから居たのか定かではないが浜辺で、ある「カモメ」が 波打ち際にいて、助けると「これは便利な、お金というものデース!!」と言い 銀のメダルをくれるという。 とある日に、村のどうぶつの中の数名が、 好奇心からカモメのいる浜辺に行く事となった。 そして噂通り”お金”という銀のメダルを持ち帰った。
(村人1)「これは何でしょうか?」 (村人2)「どうやって使うのでしょう?」
村人が集まって困っていると、カモメはどうぶつたちに、こう伝えた。
(カモメ)「それは、”お金”という物。 これを使うと交換が円滑に行え、好きな事ばかりをして生活が出来る。」
村のどうぶつたちは、カモメの教え通りに、 同じ枚数ずつみなでお金を分けた。
それまでは、各自必要な物を作り、 そのつど調達するという、バラバラで気ままな暮らしであったが、 ”お金”という物を手にして以来、それぞれが得意な事を専門的にする様になっていった。
狩りの得意な者、手芸が好きな者、掃除が得意な者、手先が器用な者、 ”お金”を使う事により、それぞれにあった事を分担するようになっていった。 村全体の生活は、以前よりもみなが協力しあう、楽しい雰囲気があふれた。
そうして一年が過ぎた夜明けの晩、、、 ひとりの住民のもとに、あのカモメが現れてささやいた。
(カモメ)「1年が過ぎましたので、渡したお金とお礼の気持ちを必ずワタシにください。」
あくる日、ツル石とカメ石のロクメイという村の広場に全員が集まった。 もはやお金を使わない不便な生活に戻りたくないというのが どうぶつたちの一致した意見だった。 なんとかこのまま使わせてもらえないかと頼みに行こうとしたが、
その日の夜明けの晩、、、 別のどうぶつのもとに、あのカモメがやってきて、こうささやく。
(カモメ)「あなた達には10枚ずつお金が配られている。 今日から1年の後(のち)、11枚ずつワタシにください。」
ひとまずは、お金を使い続けられる様ようになった村人だったが、、、 自分が持っているお金の量が、気になってしかたがない。 すでに11枚持っている者は、なるべく使わない様になり、 足りない者はなんとか儲けられないかと、あれこれ考えをめぐらせた。 こうして期日が近づくにつれ11枚持っていない者は焦り、 仕事の目的が、 人々が必要とする事を提供するのではなく、お金を儲ける事に変わっていった。 相手が必要としているか、いないか、に関係なく、とにかく売ってお金を儲ける事を目指した。 村の楽しかった雰囲気に亀裂が入りはじめた。 そうして忙しく時は過ぎ1年の後(のち)、 100人でひとり10枚ずつ分けたので、村にあるお金は1000枚。 しかし、カモメに渡す総額は1100枚。 結局、村のどうぶつたちの3分の2は約束を守る事が出来ない者となった。 村の中で、支払うことが出来た者と出来なかった者とで分断された。 ”勝ち組” ”負け組”という言葉が誕生した。 そしてカモメは、渡すことが出来なかった者達にこう言った。
(カモメ)「これから1年の後(のち)12枚をもらいます。ただし次はない。 その場合は命をもらってゆくとしよう。元々はワタシが貸したお金ですから」
その時、カモメに渡すことが出来なかった者のひとりがこう言った。
(村人3)「村じゅう集めても1000枚しか無いのに1100枚を アンタに渡せるはずがない。」
(カモメ)「お前達が私の元に来たので援助したまで。 お前達は以前よりも発展している様に見えるが。罰当たりめ!お前達を全員呪ってやる。」
カモメは眼を見開き、ゆっくり口を大きく開けその奥から、、、 慌てた村の中の勝ち組がこう言った。
(村人4)「私たちはちゃんと約束を守りました。」
するとカモメはうっすらと笑みを浮かべこう言った。
(カモメ)「今後1年経つごとに利子のみをよこせ。お前達勝ち組は1枚。その他無能な者らは2枚。」
こうしてそのカモメはそれ以来定期的に利子を集めた。 村のどうぶつたちはお金をカモメの為に取っておかねばならなくなった。
お金は自由に循環せず滞留しがちになっていった。 カモメにお金を渡さなければならないので、どんどんお金は不足してゆく。 さらに、必要のない物や、無駄な提供ばかりが増え、 村はさらなる疲弊に追い込まれた。 必死に働いても、お金はますます減っていった。 カモメに渡す分を確保出来た者と脱落する者という立場が明確になり、 払えなかった者は命を獲られるとあっては、村の中で、 ついに奪い合いが始まった。 協力していたはずの村のどうぶつたちは分断され、 今持っているお金の量を必死に守り、足りない分を奪い合うのだ。
または先を見越してなるべく手元にお金を集めようと考える者まで居た。 たまらずひとりが、、、
(村人5)「あなたにお金を渡さなければならないので、私たちはお金が足りません。」
カモメに訴えた。
(カモメ)「もっとお金が欲しいか?ならば、もっと貸してやろう。そのかわり、今より1枚づつ多くワタシに捧げるように。1年ごとに、1枚だった者は2枚。2枚だった者は3枚。必ず守る様に。契約を破った場合には、その者の命をいただこう。」
こうして村は、発展してゆくほどに疲弊した。 奪い合いは激化し、ひとり、またひとりと弱い者から命を落としていった。 ひとまずは、束(つか)の間(ま)の命を落とさずとも、利子を払わねば命は奪われる。
そしてこの状況にコトブキ村長はとてつもない危険を察知した。 彼はかっぺいと共に村を捨てて村民を置き去りにし、 ボートに乗って南の島へ逃亡した。
村のどうぶつは恐怖に支配され、奪い合いは日々激しさを増してゆく。 いつしか村のどうぶつたちは奴隷になっていた。 そして、凄まじい奪い合いの果てに、とうとう、最後ひとりになった。
(村人6)「わたしが勝ち組だ。無能な者どものおかげで苦労したものだ。 ようやくこれで解放される。わたしひとりになってはお金はもう必要ない。」
そこへ丁度良くカモメが現れた。
(村人6)「わたし1人になってしまったので、お金はもういりません。お金は返します。」
持っているお金の全てをカモメに渡してホッとします。 ところが、ホッとしたのも束(つか)の間、 そのカモメはバリバリと音を立てて八つ裂きにしてそのどうぶつを喰らい、 海に帰って行った。
それからしばらくして、コトブキ村長が様子を確認しに南の島から村へ戻ると そこには阿鼻叫喚の地獄絵図と化した村に、カモメが残した 大量の銀のメダルが。 これをコトブキ村長は南の島に持ち帰り、ツアーの景品と交換するための 通貨として再利用したそうです・・・
そう、このカモメこそ、ジョニーなんです・・・
最後に、お話が長くなりましたがこの話を銀行の近くだとか ATMの近くで話すと、謎の外国人男性につきまとわれるそうです。 決して、目を合わせたりしないでくださいね。
そして、 なぜ最後のひとりが喰われてしまったのか、あなたはわかりますか? もし、あなたが理由を理解出来ないのであれば、 明日、カモメのジョニーに喰われるのは、あなたかもしれません。 |
No.1549 2018/11/15(Thu) 17:27:53
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