 | アトリエヒュッテで絵を習い始めて、早いもので15年が経過した。習い始めたきっかけは当然定年退職である。もともと交響曲の作曲とオーケストラの指揮(チェコフィルなど)が趣味であったが、定年後の時間を考え、絵を描こうと考えていた。絵は、手軽に出来そうな感じがしたからである(この考えはすぐに打ち砕かれた)。実のところ絵は尋常小学校のアートの授業以来描いたことが無く、退職後に慌てることがないように会社の近くで受講時間が自由で画材費用無料の教室をインターネット(ヤフー)で探したところ、アトリエヒュッテが明るく崇高な感じで、且つ有料体験教室が有り早速HPから申し込んだ。当日、大きくて優しそうな男性と可愛らしい女性のご夫婦の先生方に道具の説明を受け、リンゴをデッサンすることになった。芯がこんなに長い色々な種類の鉛筆を使うのか(3H〜6B)と思いながら描き始めて愕然とした。「何も描けない」・・・ 大汗が出てきた。必死に30分手を動かしたが、リンゴというか黒い円でまるでマレーヴィッチのようだ(笑)。「これは厳しいかな・・」とすごく不安になったが、とにかくお2人の先生方のアドバイスを受けながら2時間描き続けた。男性の先生は誠文堂新光社から油彩画の技法書を出版されており(増補改訂版まで出るという凄さだ)、こちらも早速購入し、サインも入れて頂いた。時々女性の先生はポイントを加筆してくれた。リンゴかどうかは分からないが、最後にようやく少しリンゴっぽい感じが出てホッとした。制作の後は毎回、大変勉強になる講評会があり、大先輩にあたるというOさん、タカキョンさんにも褒められて気を良くした。絵は簡単でなく、難しいと初めて感じたが、この優しい先生たちと素晴らしい仲間たちであれば続けられると思い、早速その場で入会を申し込み、予約し、基礎デッサン(ワイン瓶)から始めた。習い始めて、先生方は初めての素人にも嫌がらずに凄く熱心に教えてくれる。まさに、教えて、やって見せて、褒めてくれるので、生徒は先生の教えの通り2時間描いて講評会に出れば少しずつ上達することを確信した。ただ、「演習コース」という上級者向けの特別クラスの生徒たちなど驚愕するぐらい上手く、すでに毎年コンクールで賞を取ったり個展を開催している生徒、プロの画家の生徒もいるので強くマイペースを言い聞かせている。アトリエヒュッテは教室が明るく、自分の好きな時間で、画材費用無料で徹底的に基礎デッサンから油彩・アクリル画・水彩画・パステル画などが描ける。画材が全て使い放題とか、いいのかなと毎回思ってしまう。風景画大会や人物画大会、2年に1回のアトリエヒュッテ作品展(相模大野ギャラリー)もあり、生徒のモチベーションを最大限引き出すように工夫がされている(展覧会は毎年ではない方が私はありがたい。毎年だと作品の質が下がるのだ)が、それを支えているのが苦労を厭わない先生方の存在。このおかげで絵を描いていなかった私でも始められ、今でもずっと描き続けている。昨年は初めてコンクールにも応募し、入選し、上野の森美術館に作品が展示され、仕事仲間や家族・孫達にも褒められ怒髪天をついた。夢は、音楽がテーマになったカンディンスキーのコンポジション的な100Mの油彩画が描けたら最高。それまで頑張るぞ !!やりぬくぞ! |
No.1289 - 2020/05/29(Fri) 08:03:46
|