|
テケテケも口裂け女も持つ凶器のレパートリーの中に鎌(草刈り鎌)が存在します。これは恐らく、外国の死神のイメージが反映されたものだと思います。死神も口裂け女もテケテケも出会えば死ぬという共通点があるからではないでしょうか。 |
No.1086 2010/08/12(Thu) 11:28:26
|
|
鎌は、外国だけでなく、日本でも昔から使われていますし、すべての現代妖怪が持つ鎌が、死神の鎌とは言いきれないんじゃないかなあ、と思います。 ただ、海外のお話と、日本の話に共通点がある、という辺りは、考察してみると面白いかもしれません。
また、お話とは不思議なもので、まったく接点が無いにもかかわらず、大変似た話が別の場所に同時発生することもあります。 似た話だからといって、影響を受けているとは限らないようです。 そういう事例を知って行くにつれて、人間の考えるお話や持つイメージは、基本的なところでは似たようなものなのかもしれないな、と感じています。
たとえば、アメリカには「フックマン」という有名なお話があるのですが。 これが、「口裂け女」の妖怪になる前の存在に、何となくではあるのですが似ているのです。 口裂け女が精神病院から逃げ出してきた女なら、フックマンは刑務所から逃げ出してきた男です。 口裂け女は顔が奇形にされてしまった女ですが、フックマンは腕が変形している男です。 どちらも、その姿に関して、何らかの精神的な病を背負っており、通りすがりの人間に危害を与えます。
まあ、完全に妖怪になってしまったような口裂け女とは、全然違ってきてしまうのですが、フックマンも、名前が付いていることから解るように、人間と言うより、少し妖怪じみている存在です。 でも、間違いなく片方が片方に影響を受けているわけではないのです。 たぶん、人間が「怖い」と思うシチュエーションは、どこでも似たような感じだということなのでしょう。 |
No.1088 2010/08/12(Thu) 14:43:04
|
|
|
妖怪がその形でいるのには比喩的な意味が隠されている場合もあるので、死神の鎌説もありっちゃありだと思いますがどうでしょう?例えば戦後に流行った注射男という怪人は現代医療への不信感から生まれてきたと言われています。その様な妖怪がその形でいる訳が口裂け女にもあるのではないでしょうか? |
No.1089 2010/08/16(Mon) 22:28:53
|
|
|
都市伝説という言葉を最初に作りだした、ジャン・ハロルド ブルンヴァン によると、都市伝説にはいくつか特徴があるそうです。
「偏見や差別」「若者に対する苦言や忠告」「新しいテクノロジーや新しい出来事への恐怖」
など(他にもありますが)だそうです。 注射男が、医療への恐怖、不信感、そこから生じる偏見、などから出来あがってきたのかもしれない、というお話は、確かに都市伝説の特徴のひとつにキッチリ当てはまります。 なので、それはなるほど、と思えます。
では口裂け女はどうなのか、と言うと。 まあ、異論は色々あることは承知の上で書きますが。 まず、『整形手術の失敗』これは医療に対する不信感、整形など不自然なことをするとこういう目にも合うかもよ。という苦言や忠告。 そして更に、口が裂けている女、という奇形に対する恐怖と偏見。 この3つは、すぐに見て取れると思うのです。 上記の都市伝説が持つ特徴をすべて備えているからです。
しかし、では鎌を何故持っているのか。 という事に関しては、これが正解だ、といいきれるほどの理由も理屈も、まだ見あたらないような気がします。 ですから、確かに目目連さんのおっしゃるように、そこに死神の姿を見て取る人もいるでしょう。 しかし、私などはどちらかというと、日本の昔の怖い話に出てくるような、髪を振り乱して鎌を持った鬼婆を連想していました。
鎌は農業に使いますから、日本でも身近な武器としてはポピュラーなわけです。 日本で生まれたお話なのに、いきなり西洋の死神をモチーフにするだろうか。 もちろん、連想として、そのイメージを持つ人もいるわけですから、そういうイメージで語られることもあると思います。 しかし、それがすべてだと決めてしまうと、他に連想できなくなってしまうので。 私としては、死神の鎌 説は、説の一つにすぎない。という小さい括りにしておいた方が、発想が自由なまま考察できると思っています。 一度、死神の鎌に違いない、と決めてしまうと、その説に沿ってしか、その話を見られなくなってしまうのです。 なので、私自身は、死神の鎌説は、たくさんある説の内のひとつである、としておきたいと思っています。
でも、もちろん目目連さんは、その説でひとつの形を構築しても、OKだとは思います。 それはそれで、ひとつの方向性を突き詰めた、面白い考察になると思いますから。 よかったら、後でまとめたものを聞かせていただけましたら嬉しいです。 よろしくお願いします。(^.^) |
No.1090 2010/08/16(Mon) 23:53:43
|
|
|
話の流れとは関係ないのですが、口裂け女がでるのは夜だけでしょうか?もし良かったら、教えて下さい。というのも、妖怪が出るとされるのは古来、日常から隔絶された場所(海、山夜、暗闇等)に現れるとされています。その条件に口裂け女も当てはまるかどうかに興味があるのです。 |
No.1091 2010/08/18(Wed) 21:14:17
|
|
|
目目連さんは、自分では実際には口裂け女の噂は聞いたことがない年代でしょうか。 私は、実際の恐怖を持って語られた真ん中にはいない年代ですが、それでも知識としてではなく、実際のウワサ話として、口裂け女の話を聞いたことがあります。 なので「口裂け女の話」とひと言でくくってしまう事には、実は少々抵抗があります。
というのも、口裂け女の噂は、噂が広まり始めた辺りの
「整形手術に失敗した事で気が狂ってしまい、精神病院に入院していた女が、そこから脱走して人を襲うらしい」 という、リアルに事件を感じさせるような大人が語る噂話と
「3人姉妹で、べっこう飴が好きで、ポマードと三回言うと逃げていく。空も飛べるらしい」 みたいな、完全に妖怪と成り果ててしまった、子どもが語るウワサ話
の2種類があるからです。 上の、大人が語る噂話の段階では、口裂け女が出てくるのは、夜が多かったようです。 しかし、子どもが語るようになると、夕方くらいになってくるんですね。 というのも、子どもは夜中は外に出歩かないから。 学校帰りに出会う、というのが、子どもが一番怖いシチュエーションです。 だとすると、夕方になります。
更に、韓国で語られる口裂け女は、ほぼ夜中に出てくるようです。 しかし、その理由は「妖怪が出るのは、古来日常から隔絶された場所だから」という観念的な理由ではなく、韓国の子どもが通う塾は、夜中近くまでやっているようなのです。 で、その帰りに出会う。みたいなバージョンが語られる事が多いので、夜中になったりするわけです。
人が語る噂話は、そんな感じで、日常的で聞くと納得できる理由があるものだと、私は思います。 目目連さんは、妖怪はこういうものだから、みたいな方向性から考えていらっしゃるようですが、私とはその辺りが、少し違う感じですね。 お話の内容には、かならず、語られる場所や時代にピッタリ合った理由がある。と私は思っています。 マクドナルドのミミズバーガーの話は、マクドナルドがない地域では、ロッテリアの話として語られる。 ロッテリア自体に意味があるわけではなく、その場所ではそっちの方が説得力があるからです。
そんな感じで、口裂け女がいつ頃出るのか。それは語られる年代と、場所と、語る人によって変わってきます。 もっとも、怖い話として語られるのですから、確かに夜が多くなるんじゃないかなあ、とは思いますけど。 目目連さんは、いつ頃の時代で誰が語る口裂け女を対象にするのか、その辺りをまず決めると、もっと調べやすいかもしれないなあ、と思います。
最後に、 妖怪は古来、日常から隔絶された場所(海、山夜、暗闇等)に現れるとされています というのも、少しだけ私とは認識が違うようです。 海、山、暗闇は、日常から隔絶された場所ではなく、「境目」であると私は思っています。 あやかしは、辻や水辺や橋や逢魔が時など「境目」に現れる。 というのは、昔の文献には多く散見されるものですし、村の境目や辻に、道祖神のような守り神が配置される事も、その辺りから来ているようです。
完全な異界ではなく、日常から少しだけ外れたところに現れる「少し欠けたもの」らしいですね。 (妖怪は、人を呼ぶときの言葉である「もうし」が言えず「もう」という欠けた言葉しか喋れない。という話も読んだことがあります) |
No.1092 2010/08/19(Thu) 00:30:08
|
|
No.1093 2010/08/20(Fri) 09:18:56
|
|
|
話を蒸し返すようで恐縮なのですが、鎌を振り回すイメージが鬼婆にあるとのことですが、それは昔、聞いた話に由来するのでしょうか?だとしたら非常に興味深い。私は鬼婆が鎌を持っているという話は聞いたことがないのです。何故なら彼女が鎌を使う必要がないからです。鬼婆は大体の話では道具を使う描写が無く、恐らく、素手で人間を引き裂いているのだと私は考えていました。人を超えた者と解釈される彼女と人間の文明の象徴である農耕具との相性もあまり良くない様なきがするのですが、どうでしょう? |
No.1096 2010/08/24(Tue) 22:07:57
|
|
|
たぶん、そちらの考えている鬼婆と、私が書く鬼婆は、違うものだと思いますよ。 目目連さんは、鬼婆を妖怪として捉えていますね。人を超えたものです。 しかし、鬼婆の中には、人が人に仇をなすような。要するに「狂った女」の事も表現するからです。 村の中で狂った女が、最終的に鎌や鉈を持って追いかけてくるようなお話。 容易に見つかるように思えるのですが。 実際、鎌、鬼婆で検索すると、鎌を持って追いかけてくる鬼婆のイメージを持つ人はたくさんいます。
まあでも、そうですね。私が咄嗟に思ったのは確かに鎌じゃなくて包丁を研いでいる鬼婆でした。 旅人を泊めて、それをCENSORED生業にしている、というようなお話です。 そのお話は大変有名で、確かに存在するのですが、目目連さんの上記の書き方ですと、そのお話も不自然だということになりますね。 手で引き裂くのではなく、包丁という文明の象徴である道具を使うのですから。
目目連さんは「自分が聞いたことがないお話は、存在しない」 みたいにお考えでしょうか? 鬼婆に変化してしまった存在の中には、力が無かったために何かを失ったあげく変化したものも存在します。 それは人を超えたものではなく、人を超えざるを得なかった、悲しき存在でしょう。
私は、「鬼婆」にも色々いるし、「口裂け女」にも色々いると思っています。 鬼婆はこういうもの、口裂け女はこういうもの、という形で、決めるつもりはありません。 なぜなら、成り立ちが色々あり、物語ごとに背景も違うからです。 目目連さんが、私と違う分類をなさりたいのでしたら、それは全然構わないのですが、自分は聞いたことがないから違うのではないか、という考え方は、私の考え方とはまったく相容れないので、私との話は、これからも平行線になると思います。
私は違う話が聞けたら、それは初めて聞いたなあ、それも参考文献のひとつにしよう、と情報を増やしていくタイプの考え方です。 つまり、新しい資料が加わって行くにつれ、どんどん考察内容が変わっていくタイプです。 前は、この資料しかなかったからこう考えていたけれど、この話があるならそれは違うな、じゃあこうか? みたいな感じでしょうか。 (もちろん更に違う資料が手に入れば、視野がまた変わってきますので、考察も変わっていきます)
私はこのテの話を意識的に収集し始めて15年以上になりますが、まだ聞いたことがない新しい話やバリエーションは、この掲示板上だけでも、結構ありますよ。 それらのお話を、「今までの自分が知らないから」という理由で違うと判断するのは、視野を狭くしてしまう気がいたします。
目目連さんが 「私は聞いたことがない、私が構築する理屈と違っているから、それは違うのではないか」 と、まず自分の中にある理論に沿って都市伝説を研究していきたいのでしたら、この掲示板ではなく、ご自分のサイトで考察を続けていかれることをお勧めします。
この掲示板は基本的には「私が考えた妖怪考察」を書く場所ではなく、 本当にあった話なんだけどね、と語られる「ウワサ話」 私はこういう話を聞いた。という事を書いていく掲示板ですので。 それに関して、少し考えた事を書いていただけるのは面白いですし歓迎なのですが。 今回は長くなりすぎている気がいたします。
あまり趣旨違いの話を、長々と私は続けたくはないので、 これ以上の「私は妖怪についてこう考察する」という類いの書き込みは避けていただけましたら嬉しいです。 解っていただけましたら幸いです。 どうぞ、よろしくお願いいたします。 |
No.1097 2010/08/24(Tue) 23:02:24
|
|